
「介護の賃上げ、結局いくら上がるの?いつ給与に反映されるの?」
ニュースは出ているけど、職種によって金額が違ううえに、条件つきの支援もあって分かりにくいですよね。
今回の賃上げは、2025年度補正予算を使って、2025年12月〜2026年5月の半年分を“賃上げ相当”として支える仕組みです。
介護職は最大で月1万9,000円、ケアマネや訪問看護など幅広い職種は月1万円が基本になります(※ただし、2階・3階は事業所の取り組みが条件)。
この記事では、賃上げの全体像を「3階建て」で整理しながら、
①あなたの職種はいくら対象か
②職場が満たすべき条件は何か
③反映時期の目安と確認ポイント
を、現場目線で分かりやすく解説します。
✓本記事の信頼性
当サイト管理者
●この記事を書いている僕は、17年以上の介護経験がある現役の介護士です。
●デイの相談員を9年以上経験しています。
●現在は老健で働いています。
もくじ
まず何が決まった?(速報の中身)
2025年度補正予算が12月16日の参院本会議で可決・成立し、介護分野の支援が動きます。
このうち処遇改善(賃上げ・職場環境改善)に1,920億円が計上され、介護分野の職員の賃上げ等を支援する枠組みが示されています。
いつからいつまで?いつ現場に入る?
対象期間:2025年12月〜2026年5月(半年)の賃上げ相当額
現場に届く時期:自治体の手続き等を経て、2026年2月前後から届く見込み、という報道も出ています。
「12月分から賃上げ扱い」だけど、実際の入金は“後からまとめて”になりやすい、という理解が近いです。
今回のキモ:「3階建て」で最大1.9万円

厚労省の資料では、支援は大きく3段で設計されています。
1階:幅広い職種に「月1万円」
ケアマネ・訪問看護・訪問リハ等も含め、幅広い介護従事者を支援。
条件:基本は処遇改善加算を取得(対象外サービスは“準ずる要件”)
2階:介護職に「月5,000円」上乗せ(条件あり)
条件:処遇改善加算に加えて、生産性向上・協働化の要件を満たす
訪問・通所系:ケアプランデータ連携システム加入(見込み可)など
施設・居住系など:生産性向上加算Ⅰ/Ⅱの取得(見込み可)など
3階:介護職に「月4,000円」相当(職場改善が条件)
条件:処遇改善加算を取得した上で、職場環境改善を計画・実施
使い道:事業所判断。人件費に充てれば“月4,000円の賃上げ相当”になります。
でもまだ少ない
理由はシンプルで、他産業との賃上げペースの差がまだ大きいからです。
たとえば厚労省調査の速報として、処遇改善加算を取得している事業所の介護職員の平均給与は前年から2.0%上昇だった一方、春闘の賃上げ率(正社員)は5.25%と報じられています。
つまり、今回の“半年支援”は前進ですが、差を一気に埋める規模ではないと言えます。
現場の人が「今日から」できるチェック(超重要)
この手の制度は、“自分が対象でも、事業所が動かないと入らない”ことがよくあります。
なので確認はここ。
働く側のチェック
●自分の勤務先は処遇改善加算を取っているか(給与明細の手当名でもヒントあり)
●2階・3階の条件(生産性向上/職場改善)を事業所が申請・計画する予定があるか
●入金が遅れる可能性があるので、「いつ反映予定ですか?」を一度は聞く
管理者・事務側のチェック(発信するならここが刺さる)
●申請〜交付の流れ(計画書提出→交付決定→実績報告)がある
●訪問・通所と施設系で、2階要件が違う(連携システム/生産性向上加算)
今後は「2026年の臨時改定」にも注目
厚労省資料でも、報酬改定の時期を待たず緊急対応として本支援を行う趣旨が明記されています。
さらに、2026年度の期中(臨時)改定で処遇改善をどうするかは、審議の場でも論点になっています。
今回は以上です。