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認知症ケア

「自律神経症状 立ち眩み めまし 便秘など」症状のケア

2020年2月21日

 

本記事の内容

「自律神経症状 立ち眩み めまし 便秘など」症状のケア

「自律神経症状 立ち眩み めまし 便秘など」症状のケア

 

自律神経症状はレビー小体型認知症の人に良く見られる症状です。レビー小体型認知症の人は、脳内にだけレビー小体という異常なたんぱく質が発生するでけではありません。自律神経内にもレビー小体が確認できます。それによって自律神経症状をきたします。

自律神経とは、活動する神経「交換神経」と休む神経「副交感神経」の2つから成り立っています。交換神経は血圧を血圧を収縮させ、血圧や脈拍を上げる作用があります。副交感神経は血圧を拡張させ、血圧や脈拍を下げる作用があります。通常はこの2つの神経が切り替わり、バランスをとって働いています。

自律神経症状は、この2つの神経がうまく切り替わらず、身体い不調をきたすものでう。その症状は、多種多様です。主に、起立性低血圧 便秘 多汗 寝汗 倦怠感などがあります。

様々な自律神経症状

レビー小体型認知症の人は、これらのうちの1つ以上、時には多数の症状を持っています。

注意すべき起立性低血圧

レビー小体型認知症の人は、血圧のバランスが悪かったり、頻脈であったり、動悸があったりします。これらは自律神経症状による影響です。血圧の異常により起こる症状が、起立性低血圧です。

起立性低血圧とは、起き上がったり、立ち上がったりしたときに急激に血圧が低下します。それによってたちくらみを引き起こし、転倒や失神をすることもあります。

原因は、立ち上がる際、血圧の維持をコントロールするはずの交換神経がうまくはたらかなかったり、心臓から送りだされる血液の量が少なくなるためです。高齢者の場合、足の筋力が低下していて、心臓に戻る血流の弱まっていることもその一因とされています。

また、降圧剤や利尿剤、抗パーキンソン薬の服用も起立性低血圧を引き起こすと考えられています。起立性低血圧の具体的な数値は、立ち上がった際に、最大血圧が、20mmHg以上下がります。

起立性低血圧が起こったときの対応

起立性低血圧はしばしば転倒や失神を起こします。高齢者の場合、反射神経が衰えているため、注意が必要です。起き上がる際は、身体の向きを変えながらゆっくりと起き上がることが大切です。立ち上がった後も、その場でもも上げや足踏みをするのも効果的です。

失神は、食後に起こることが多々あります。食後は、血流が食べ物の消化のために胃腸にあつまり、脳への血流が減るためです。したがって、食後は、急に立ち上がらず安静にする。

排泄などで力んだ際も血圧低下が起こることがあるので、介護士は頭に入れておいて注意を払いましょう。

起立性低血圧を軽減する方法

起立性低血圧を治すことはできませんが、軽減や改善できる方法はあります。それは、規則正しい生活習慣を作ることです。

規則正しい生活習慣と栄養補給

・水分のこまめにとる
・食物繊維を摂り便秘を予防する
・ビタミンやミネラルを多く含んだ食事を摂る
・1回の食事量を少なめにして回数を増やす
・適度な塩分を摂取する
・適度な運動と十分な睡眠
・眠る際は頭(枕)を高くする
・弾性タイツ・ストッキングを着用する
・深呼吸をする
・ストレスをためないようにする
・自律訓練法をする
・機能訓練により下肢筋力の維持

体温の調節が困難になる

中核症状

レビー小体型認知症の人には、しばしば体温調節に障害が見られます。これも、自律神経症状の一つです。

具体的な症状としては、多汗や寝汗です。健康な人は、体温が上がると発汗によって適度に体温を調節しますが、レビー小体型認知症の人は、この発汗に障害が起こります。ひどく汗をかくため、シャツを1日に何枚も着替えたり、寝間着を頻繁に取り換える必要があります。

手っ取り早く発汗を抑えるには、濡れたタオルを首に巻くと効果的です。外頸動脈が冷やされ、発汗作用を抑えます。

また、皮膚の血管が拡張することによって低体温症になりやすいのも特徴です。低体温症は、手足の冷えとして現れます。上半身や顔だけは汗をかいていても、手足が冷たいといった人もいます。

手足の冷えを改善するには、入浴や足浴、手浴が効果的です。入浴は、心身をリラックスさせ、交感神経と副交感神経のバランスを整える効果も期待できます。

体温調節の難しい、レビー小体型認知症の人には、室内の温度調節が大切です。室温は25℃前後、湿度は40~60%で調節し、衣服内温度を31~33°に整えましょう。部屋や浴室、トイレなどの気温差は極力少なく、5℃未満にしましょう。

頻尿などの排泄にまつわる症状

排泄にまつわる自律神経失調症には、便秘 頻尿 尿失禁などがあります。便秘がひどくなると、イレウス(腸閉塞)やBPSDを引き起こす要因となります。便秘によるBPSDは全体の半分ほどと言われています。

人間は1日に1000~1500mlほどの尿を1回200~300mlくらいを5回に分けて排尿します。10回以上行く人は頻尿です。

頻尿には、いろいろな原因が考えられますが、膀胱の自律神経に障害があると、急に我慢できないほどの尿意を感じる「過活動性膀胱」になります。過活動性膀胱は、たまっている尿の量とは別に膀胱の筋肉が収縮するため、日中、夜間ともに何度もトイレに行きます。間に合わないと尿漏れや尿失禁につながります。

高齢者の人は、頻尿やそれに伴う尿漏れや尿失禁を減らそうと、水分を摂ることを控える人がいますが、それは脱水を引き起こす要因となるので、水分は適度に摂ることが大切です。介護者はこまめに水分を摂るよう促してあげましょう。

めまいの症状

レビー小体型認知症の人は「めまい」を伴うことがあります。めまいにはいくつか種類がありますが、大きくわけて「回転性めまい」と「浮動性めまい」の2つです。

回転性めまいは、自分の身体や足場がぐるぐると回転しているように感じるめまいです。吐き気や嘔吐をもよおしたり、身体のバランスを崩して転倒にいたることもあります。主に三半規管の異常が原因です。

浮動性めまいは、船からおりたときのように「ふわふわ」「ふらふら」としためまいです。脳幹や小脳に起因しています。レビー小体型認知症の人はこちらのめまいが多いです。

こういっためまいには、マッサージが効果的です。リラックス効果もあり、自律神経を整えてくれます。

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