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介護の仕事

ずり落ち事故を防ぐリフト浴の浅座り対処法

リフト浴の浅座り対処法

リフト浴で利用者さんが前にずり落ちそうになり、ヒヤッとした経験はありませんか?

顔が水面に近づく、体が傾いてしまう…

その原因の多くは「座り方の崩れ」、いわゆる浅座りです。

 

僕自身、現場で日々働く介護職で、1日に数人のリフト浴を担当する日もあります。

その中で、顔が水面に近づいて、ヒヤッとする瞬間は何度もありました。

 

浅座りは、起きてから直すほど手間が増え、利用者さんの不安も強くなります。

だからこそ、入る前の整え方が大事だと痛感しています。

 

✔︎この記事でわかること

をわかりやすく解説します。

 

入浴介助に不安を感じている方や、新人介護職の方でもすぐ実践できる内容です。

ヒヤリとする前に、ぜひチェックしてください。

 

本記事の信頼性

  当サイト管理者

●この記事を書いている僕は、17年以上の介護経験がある現役の介護士です。

●特養や老健、デイなどさまざまな職場を経験しました。

●TikTokもやってます。(@shinblog

 

リフト浴で浅座りが起きる4つの原因

最初に、浅座りになる原因を確認しましょう。

 

体幹が弱く座位が崩れる

体幹とは、新しいと手足を除いた胴体部分のこと。

ここが弱いと座位を維持できず、背中が丸まり骨盤が後傾→お尻が前へ滑ります。

 

背もたれに預けても左右に傾く/顎が胸につくのがサイン。

結果、顔が水面に近づきずり落ち・溺水のリスクが上がります。

 

背もたれが体に合っていない

体に合わない背もたれは、姿勢が安定せず浅座りの原因になります。

角度が合わない、背中の丸みにフィットしないと、背中が支えられず体が前後左右に動きやすくなります。

その結果、骨盤が後傾してお尻が前へ滑り、ずり落ちが起きます。

 

骨盤が後傾して深く座れない

骨盤が後傾(骨盤が後ろに倒れる)すると、腰が丸まりお尻が前へ滑る姿勢になります。

この状態では座面の奥まで体重を乗せられず、見た目は座っていても実際は「浅く腰かけている」形になりやすいです。

結果として、顔が水面に近づく・ずり落ちるリスクが上がります。

 

足が踏ん張れず下へ滑る

足が踏ん張れないと、体を支える「下半身の土台」がなくなり、体は重力で下方向へ滑ります。

特に膝が伸びきった姿勢や、足裏が床(フットレスト)にしっかり当たっていない状態だと、お尻が前へ移動しやすく浅座りになります。

 

【確認】リフト浴の適正対象者とは?

つづいて、リフト浴の適正者を確認しておきましょう。

 

リフト浴に適している方

リフト浴に適しているのは、座位は安定して保てるものの、立位や歩行、浴槽のまたぎ動作が難しい方です。

具体的には、次のような方が目安になります。

●座位保持ができる方(椅子に座っても体が大きく傾かない)

●立ち上がりが困難な方

●浴槽をまたぐ動作が危険な方

●歩行が不安定な方

●認知症があり指示が入りにくい方

 

リフト浴が不適正な方

リフト浴が不適正なのは、座位を安定して保てない方や、固定しても姿勢が崩れる方です。

目安は以下です。

●座位保持が困難な方

●ベルト固定してもずり落ちる方

●体幹が極端に弱い方

●円背が強く骨盤が後傾し続ける方

●呼吸状態が不安定な方

 

ずり落ちを防ぐ!リフト浴の浅座り対処法4選

それでは、リフト浴の浅座り対処法を解説します。

 

対処法① 湯船に入る前に骨盤を起こす

リフト浴の浅座りは、湯船に入る前に決まっていることが多いです。

なぜなら、最初の座り方で骨盤が後傾していると、そのまま“ずり落ち姿勢”になってしまうからです。

 

骨盤を起こすポイントはシンプルで、深く座り直して、お尻を後ろへ引き、腰を立てること。

介助するときは、いきなり後方に押そうとするのではなく、いったん軽く前傾してもらってから、お尻を引いてもらうと深く座りやすいです。

 

加えて、足裏がしっかり接地しているかも確認しましょう。

足が浮くと骨盤は後ろに倒れやすいです。

この「入る前の5秒」を丁寧にやるだけで、入浴中の体勢直しが減り、顔の沈み込みやずり落ちのヒヤリを防げます。

 

対処法② ベルトでしっかり姿勢を固定する

ベルトは、転落防止というより「姿勢を保つための道具」です。

骨盤が後傾してお尻が前へ滑り始めると、顔が水面に近づく危険も高まります。

そこで、ベルトで体幹を支えて“崩れにくい姿勢”を作ります。

 

ポイントは、骨盤の位置を整えてから締めること。

姿勢が崩れたまま固定しても意味がありません。

締め具合の目安は、ベルトと腹部の間に指2本が入る程度。ゆるすぎると支えにならず、きつすぎると不快感や呼吸のしづらさにつながります。

 

対処法③ 足が伸びない支えを作る

足が前に伸びると、体は浮力で必ず下方向へ滑ります。

浅座りが起きる人ほど、足裏がしっかり接地できず、膝が伸びた姿勢になりやすいので要注意です。

まずは「踏ん張れる土台」を作ることが、ずり落ち予防の近道になります。

 

具体的には、膝が90°前後になる位置に調整し、足裏が底面に接地させましょう。

滑りやすい場合は湯船の底に滑り止めマットを敷くと安定しやすいです。

足が前に流れてしまう方は、湯船の縁とすねの間に、台座(湯舟の底上げをするもの)を入れるのも有効です。

 

対処法④ 背中~腰を支えて姿勢を安定させる

背もたれに体がしっかりフィットしていないと、背中の上だけが当たり、腰の後ろにすき間ができやすくなります。

すると体は丸まり、骨盤が後傾してお尻が前へ滑るため、浅座りになります。

 

特に円背の方はこのパターンが多いので、「背中を伸ばす」のではなく腰を支える意識が大切です。

具体的には、仙骨の少し上(腰のくぼみ)にタオルを入れて、腰の後ろのすき間を作らないようにします。

腰が支えられると骨盤が立ちやすくなり、ずり落ち・顔の沈み込みが起きにくくなります。

 

それでも安定しない場合|ロベリア浴への変更

リフト浴が難しい場合は、ロベリア浴を検討しましょう。

 

ロベリア浴とは?

ロベリア浴

ロベリア浴とは、利用者さんを寝た姿勢(仰向け)に近い状態で入浴できる「ストレッチャー型の機械浴」です。

リフト浴のように椅子に座って姿勢を保つ必要がないため、体幹が弱くて座位が崩れやすい方や、円背・拘縮が強くて浅座りになりやすい方でも、体を安定させたまま安全に入浴できます。

 

入浴中はストレッチャーごと浴槽へ移動し、全身を支えた状態で湯に入れるので、ずり落ち・顔の沈み込み・転落などのリスクを下げやすいのが特徴です。

リフト浴で体勢直しが頻回になる場合は、介助者の負担軽減にもつながるため、浴種変更の有力な選択肢になります。

 

ロベリア浴が適している方

ロベリア浴が適しているのは、椅子に座って姿勢を保つのが難しく、リフト浴だと事故リスクが高くなりやすい方です。

目安は次のとおりです。

●座位保持が困難な方

●ベルト固定してもずり落ちる方

●体幹が弱く前に倒れ込みやすい方

●円背が強く骨盤後傾が止まらない方

●拘縮が強く座位が取りづらい方

 

リフト浴で「毎回ヒヤッとする」「姿勢がどうしても安定しない」場合は、無理に続けずロベリア浴へ切り替える判断が事故予防につながります。

 

まとめ|浅座りは防げる事故

今回は、リフト浴の浅座りの対処法を解説しました。

 

浅座り対処法の再掲

 

ポイントは「入浴中に直す」のではなく、湯船に入る前に姿勢を整えて固定すること。最初の座り方が安定すれば、体勢直しが減り、利用者さんの不安も小さくなります。

 

また、円背が強い方は「背中を伸ばす」よりも腰のすき間を支えることが効果的です。

それでも座位が保てずヒヤリが続く場合は、無理にリフト浴を続けずロベリア浴への変更も検討しましょう。

 

浅座りは、気づいて調整すれば防げる事故です。

今日の入浴介助から、まずは「骨盤・ベルト・足・腰」の4点チェックを習慣にしてみてください。

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