
「介護記録、何を書けばいいの?」
「文章がまとまらない…」
「申し送りで“結局どうなった?”と言われる…」
こんな悩みがあるなら、SOAP法を覚えると一気にラクになります。
SOAPは、介護記録を「迷わず書ける“順番の型”」にする方法です。
この記事では、SOAPの基本からメリット、そして【食事・入浴・排泄】の例文までまとめて解説します。
✓本記事の信頼性
当サイト管理者
●この記事を書いている僕は、17年以上の介護経験がある現役の介護士です。
●特養や老健、デイなどさまざまな職場を経験しました。
●Twitterもやってます。(@shinbloger)
もくじ
【確認】介護記録とは?
介護記録は、利用者さんの「状態」と「ケアの内容・結果」を残す、ただのメモではありません。
本質は、チームで情報を共有するためのものです。
✓介護記録が必要な理由
●申し送りが正確になる→ 次の職員が迷わない
●変化に気づける→ “いつもと違う”が見える
●事故・トラブルの説明材料になる→ 根拠を残せる
●ケアの質が上がる→ 誰が対応しても同じ方向性になりやすい
そしてポイントは1つだけ。
「主観(感想)」より、「事実(観察・行動)」を中心に書くこと。
この“整理”に役立つのが、SOAP法です。
SOAP法の基本(S・O・A・P)

SOAPは、介護記録を「迷わず書ける順番」にする型です。
S→O→A→P の順に書くだけで、記録が整います。
S(主観):本人のセリフを書く(言ったこと・訴え)
O(客観):あなたが見た事実を書く(数字・行動・様子)
A(評価):状況のまとめを書く(今どういう状態?原因は“かも”でOK)
P(計画):次にやることを書く
S:Subjective(主観)
本人の訴え・気持ち・言葉を書く。
例:「痛い」「眠れない」「トイレに行きたい」
O:Objective(客観)
誰が見ても分かる事実(観察・数字・行動)を書く。
例:体温、食事量、表情、歩行、排泄状況 など
A:Assessment(評価)
SとOから「どう考えるか」を一言で整理する。
例:痛みで動作が低下している可能性/脱水の疑い など
※初心者は断定せず“可能性”で書くと安全です。
P:Plan(計画)
次にするケア・観察・報告・申し送りを書く。
例:水分促し、体位調整、看護師へ報告、経過観察
SOAP法を使うメリット
SOAP法が便利なのは、記録の内容を“上手にする”というより、迷いを消してくれるからです。
①何を書けばいいか迷わない
S→O→A→Pの型に沿うだけで、自然に文章が組み立ちます。
②主観と事実が分かれて読みやすい
「本人の訴え」と「観察」が混ざらないので、読み手が理解しやすいです。
③申し送りがスムーズになる
状況→判断→次の対応がセットで書かれるので、引き継ぎがラクになります。
④抜け漏れ・書き忘れが減る
観察(O)だけで終わらず、評価(A)と計画(P)まで残せます。
⑤トラブル時の“根拠”になる
「何が起きて、どう対応したか」が残るので、説明が必要な場面で助けになります。
SOAP法を使った例文(食事)
介護記録の例
昼食時、汁物を飲んだ直後に咳き込みが見られた。
本人は「大丈夫、むせただけ」と話される。
その後も数口ごとに咳払いが増え、声が少しガラガラした印象あり。
姿勢を整え(体幹を起こし、顎を軽く引くよう調整)、一口量を小さくして再開すると咳き込みは減少した。
看護師へ状況を報告し、食形態・とろみの要否について確認依頼する。
食事は7割程度で終了し、食後は口腔内残渣の確認と口腔ケアを実施した。
SOAP
S(主観):本人「大丈夫。むせただけ」
O(客観):汁物摂取後に咳き込みあり。咳払い増加、嗄声あり。一口量調整と姿勢修正で咳き込み減少。摂取量7割。
A(評価):嚥下機能低下または摂取方法(姿勢・一口量)によりむせ込みが出現している可能性。誤嚥リスクあり。
P(計画):看護師へ報告し食形態・とろみ等の検討依頼。変化あれば再報告・申し送り。
※難しい言葉の要約
嗄声(させい):声がガラガラすること
嚥下(えんげ):飲み込む動き
SOAP法を使った例文(入浴)
介護記録の例
入浴誘導を行うと、本人より「今日は入らない」「寒いから嫌」と拒否される。
表情はこわばり、衣類を握って離さず落ち着かないご様子。
脱衣所の室温を暖め、入浴の目的を短く説明し「まず足湯だけでも」と提案する。
足湯を開始すると表情が和らぎ、「それならいい」とのこと。
その後、背中→腕の順で声かけしながら洗身介助を行い、終始大きな拒否なく実施できた。
SOAP
S(主観):本人「今日は入らない」「寒いから嫌」
O(客観):入浴誘導で拒否。表情こわばり、衣類を握り落ち着かない。脱衣所を暖め、足湯提案で受け入れ。
A(評価):寒さや不安感が拒否につながっていた可能性。環境調整と段階的提案で受け入れが得られた。
P(計画):次回も事前に脱衣所の室温調整。いきなり全介助に入らず、足湯など段階的に提案。
SOAP法を使った例文(排泄)
介護記録の例
定時のトイレ誘導を行うと、本人より「出そうで出ない」「お腹が張る」と訴えあり。
トイレで5分ほど座位保持するも排便なし。少量の排尿のみ確認できた。
下腹部を気にする仕草があり、表情はやや苦悶気味。
最終排便は2日前。食事摂取は概ね良好だが、水分摂取量は少なめ。
看護師へ報告。水分摂取を促し、可能な範囲で歩行を促して様子を見ることとした。
SOAP
S(主観):本人「出そうで出ない」「お腹が張る」
O(客観):排便なし、排尿少量。下腹部を気にする仕草、表情苦悶気味。最終排便2日前。水分摂取少なめ。
A(評価):便秘傾向により腹部不快が出現している可能性。
P(計画):看護師へ報告し指示確認。水分摂取を促す。歩行・軽運動を可能範囲で実施。
SOAP法のまとめ
SOAP法は、介護記録を「迷わず書ける順番」にする型です。
S→O→A→Pの流れで書くだけで、読みやすく伝わる記録になります。
S:本人の訴え・気持ち(言葉)
O:観察した事実(数字・行動・状況)
A:状況の整理(〜の可能性でOK)
P:次にすること(ケア・観察・報告・申し送り)
ポイントはこれだけ。
「主観と事実を分けて、次の行動まで書く」
まずは1つの記録だけでもSOAPで書いてみてください。
慣れるほど、記録はスラスラ書けるようになります。