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認知症ケア

【介護士が解説】パーソンセンタードケアのケアマッピングとは

2020年3月14日

介護

疑問をもつ人
パーソンセンタードケアのケアマッピングって何?認知症ケアのツールって聞いたんだけど実際どんなことをするの?

そんな疑問にお答えします。

本記事の内容

・(DCM)ケアマッピングとは?(実践例も含めて解説)
・(DCM)ケアマッピングのメリット

本記事の信頼性

この記事を書いている僕は、介護歴10年以上、現在も認知症の人のケアをしていて、パーソンセンタードケアを実践しています。

もしかしたら、「(DCM)ケアマッピングって監視役(マッパー)がずっとケアを監視していて悪いところを指摘されるんでしょう。何かそんなのイヤだな。」そんなイメージを持っている人もいると思いますが、ケアマッピングはそんなものでは全然ないですよ。

ケアマッピングは質の高い認知症ケアを実現するためのツールです。

3分ほどで読める記事になっています。読み終わったころには、(DCM)ケアマッピングが本質が理解できているはずです。

(DCM)ケアマッピングとは?(メリットも含めて解説)

(DCM)ケアマッピングとは

(DCM)ケアマッピングとはパーソンセンタドケアの理念に基づいています。

パーソンセンタードケアについては下記の記事をご覧ください。

 

【介護士向け】認知症ケアを学ぶならパーソンセンタードケアがおすすめ

(DCM)ケアマッピングとはパーソンセンタードケアを実践するために、認知症ケアの現場で何千という時間を使って開発されたツールです。認知症の人の視点に立とうとすること、その人の可能性に着目しようとする考え方等が盛り込まれています。

(DCM)ケアマッピングの具体的な方法

(DCM)ケアマッピングとは、研修を修了したマッパーが、認知症の抱える人たち5名前後をグループホームや特別養護老人ホームの共有スペースにおいて、6時間以上連続して観察し、その人がどのように過ごしていたか、どのようなケアを受けていたかを記録して、ケアスタッフにフィードバックします。

評価コードは3つ

➀本人がどのような行動にたずさわっているかを5分間の時間枠ごとに記録する行動カテゴリー(BCC)同時によい状態かよくない状態なのかを数値で表します。

具体的には、5分間の時間枠ごとにA~ZまでのBCC(表1参照)の中からコードづけし、良い状態、良くない状態についても、極めてよいから極めてよくない状態まで(-5 -3 -1 +1 +3 +5)の6段階のWIB値(表2参照)で評価します。

ケアマッピング1

②ケアの中でパーソンフットを損なう行為が見られたときに”個人の価値を低める行為”として記録されるPD(表3参照)※観察された時に特記します。

ケアマッピング3

③優れたケアや関わりが観察された場合によい出来事として記録されるPE(表4参照)

ケアマッピング4

ここで実際の(DCM)ケアマッピングの実践例を紹介します。

参加者名 時間 16:00 16:05 16:10 16:15 16:20 16:25 16:30
田中うめ様 BCC B U C A L L J
WIB 1 -1 1 1 1 -3 -1
16:05PD 田中様がスタッフに声をかけるとスタッフが急ぎ足で立ち去る
16:20PE 田中様がスタッフに誘われて、おしぼりを他の人といっしょにたたみはじめる

マッピングによってえた情報を観察された事実にもとづいて、介護スタッフにフィードバックします。認知症の人の視点に立って、介護スタッフに投げかけながら、ケアの気づきや手がかりをチームで共有し、ケア向上のアイデアを出し合います。そして行動計画にむけて話し合います。

(DCM)ケアマッピングのメリット

認知症

(DCM)ケアマッピングでメリットは主に3つあります。

BPSD(行動・心理症状)が改善できる

怒りや徘徊といったいわゆるBPSD(行動・心理症状)には、その気がかりな行動に至るまでに、引き金となるような様々な要因・環境があります。普段いそがしく働いている介護スタッフには気づけない本人の事前の行動をケアマッピングを通して理解できるので、そういった症状の改善が図れます。

本人の気持ちが理解できる

(DCM)ケアマッピングは常にその人の視点にたって評価されています。ケアマッピングの情報をえてマッパーと話しあうことで本人の気持ちが理解できます。

チームの結束力があがる

介護の現場はチームケアです。一人の人に複数の介護スタッフが関わります。(DCM)ケアマッピングの情報やマッパーとの話しあいから、どのようなケアを望ましいか介護スタッフで話す機会がふえ、チームの結束力が高まります。また、同じケアの提供にもつながります。

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