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認知症ケア

認知症のBPSD【具体的なケアの仕方を3つ紹介します!】

2020年2月5日

認知症

悩む人
認知症のケアの仕方が知りたい。症状がおさまらず困っている。

 

そんな悩みに答えます。

本記事の内容

・認知症ケアの3つのステップ(聞く、集める、見つける)
・BPSDの具体的なケアの方法を3つ紹介します。

この記事の信頼性

本日の記事では、

認知症の人の気持ちがよくわかる 聞き方・話し方

こちらの書籍を参考にさせていただきました。介護現場で培ったノウハウと合わせて記事にしていますので、信頼性が保たれています。

認知症のケアは千差万別、100人いれば100通りのケアがあると言われます。

この記事では、認知症のBPSD(行動・心理症状)の具体的なケアの仕方を記事にしていますが、あくまでも一例です。参考にして、現場でのケアに応用してもらえればと思います。

 

認知症のBPSD(行動・心理症状)【介護者は読むべし!】

認知症ケアの3つのステップ(聞く、集める、見つける)

BPSD

ケアの仕方で悩んだら、パーソンセンタードケアの実践にかかせない3つのステップを使いましょう。パーソンセンタードケアとは、「年齢や健康状態にかかわらず、すべての人に価値があることを認め、尊重し、ひとりひとりの個性に応じた取り組みを行い、認知症を持つ人の視点を重視し、人間関係の重要性を強調したケア」です。

パーソンセンタードケアの3つのステップ

ステップ1思いを聴く。
ステップ2情報を集める。
ステップ3ニーズを探す。

この3ステップをふむことで、その人の思いを知ることで、行動の理由を探ることができます。それによって、その人の満たされていない心理的ニーズにきづくことができ、必要なケアを導き出すことができます。

ステップ1思いを聴く

まずは本人の思いを聴くことから始めましょう。話がうまくできない人なら、動作やしぐさから思いを感じましょう。本人の気持ちによりそい、思いを受け止めましょう。「いい」「悪い」と評価することは厳禁です。

ステップ2情報を集める

認知症の行動や心理症状は、5つの要素が複雑に絡み合って生じています。そこでその人の5つの要素の情報を集めましょう。

5つの要素

➀脳の障害(アルツハイマー病や脳血管障害など)
②身体の健康状態(視力、聴力、下肢筋力の低下など)
③生活歴(過去の過ごし方やライスタイル)
④性格(生まれつきもつ感情や意思 こだわり)
⑤社会心理(人間関係や物理的環境)

ステップ3ニーズを探す

パーソンセンタードケアを提唱した、トム。キットウッド教授は、認知症のひとたちには、が重なり合うように存在していると考えました。これらのニーズが満たされているとき、認知症の人はよい状態でいられます。その人にとって満たされていないニーズは何なのかを考えましょう。そして、そのニーズが満たされることで、本人は穏やかでいられるのです。


【介護士必見】パーソンセンタードケアのおすすめ本3選

BPSD(行動・心理症状)のケアの仕方4例

中核症状

帰宅願望のある人へのケア

疑問をもつ人
家に帰りたい。ここに居たくない。

ステップ1思いを聴く

「帰りたい」ということはここに居たくないということです。どうしてここにいたくないのか思いを聴きましょう。時には、背中をさすりながら、「聴かせてください。」という姿勢で接することで、心を開えてもらえるかもしれません。

ステップ2情報を集める

5つの要素から、「帰りたい理由」を想像しましょう。どうして帰りたいのかその原因は一つとは限りません。

➀脳の障害
入院などにより、今まで住んでた場所とは違うところに来たため、ここがどこなのか分からなくなっている。(記憶障害、見当識障害)

②身体の健康状態
視力、聴力が低下していて、ここがどこなのか分からなくなっている。自分のことを悪くいっていると思っている。

③生活歴
施設に入る前は、庭の手入れをしていたため、帰って手入れをしないといけないと思っている。

④性格
人を信用するのに時間がかかるため、疑いを持っている。

⑤社会心理・環境
施設や入院して間もないため、不安を感じている。

ステップ3ニーズを探す

理由が想像出来たら、それに合うケアの方法を考えましょう。大切にしたいのは、その人が疎外感や孤独感を感じることがないように、聴く、話す、触れることで安心感を持ってもらうケアをすることです。

自宅にいても、「家に帰りたい」と言う人がいます。その場合は、その人の今いる場所に自分の居場所がなかったり、寂しい思いをしているのかもしれません。「どこに帰りたいのですか?」と聴いてみましょう。もしかしたら、自分の輝いていたころ住んでいた、居心地のいい家に帰りたいのかもしれません。その人の思いを受け止めて、今いる場所が居心地のいい場所となるようケアを考えましょう。

暴言を吐く人のケア

おばあさん
あっちいってよ!きらいなのよ!

 

ステップ1思いを聴く

攻撃的になるのは、理由があります。今の気持ちを聴いてみましょう。他の人がいたり、まわりが騒がしいと集中できず、話しができない場合があるため、1対1で話せる環境に移動しましょう。自分が関与したことで攻撃的になっているなら、素直に「ごめんなさい」と謝りましょう。そして、自分の言動を振り返りましょう。

ステップ2情報を集める

暴言を吐くなどの攻撃的になる要因は、身体に苦痛があることが多いです。5つの要素から暴言を吐く理由を想像しましょう。

➀脳の障害
分からないことが増えて、不安やイライラしている(記憶障害、見当識障害、失行)

②身体の健康状態
・便秘気味で違和感があり、イライラしている。
・痛い、痒いといった身体的苦痛がある。
・入れ歯が合わず、食事の時苦痛を伴う。

③生活歴
昔から大切にされていないという思いがあるため、不安がある。

④性格
・人との信頼関係をきづくのに時間がかかる。
・内向的な性格のため、自分を表現することが苦手

⑤社会心理・環境
家族との関係がよくない。

ステップ3ニーズを探す

理由が想像できたら、それに合うケアの方法を考えましょう。痛みや痒みなどの身体的苦痛があるなら、できるだけ早く取り除きましょう。場合によっては医師に相談しましょう。心が満たされていないことが多くあります。できるだけ一緒にいて、その人の話を聴いてあげましょう。

物盗られ妄想の人のケア

疑問をもつ人
カバンが盗まれた。泥棒がいる!

 

ステップ1思いを聴く

「物を盗まれた」と思っているとしたら、その人はとてもつらい気持ちのはずです。今の気持ちをよく聴いて、その人の立場になって考えましょう。
もしも、自分が犯人だと思っているのなら、「私ではありません。」と否定すると怒りだしてしまうことがあります。なので一旦、「私が持っていると思っているのですね。」と相手の気持ちを受け止めて、「私は持っていません。一緒に探しませんか?」と話しかけましょう。

ステップ2情報を集める

物を盗られたという背景には、疎外感や孤独感、お金に苦労したという経験があると言われています。5つの要素から、原因を想像しましょう。

➀脳の障害
自分がしまったことや誰かが持っていったことを忘れてしまっている(記憶障害)

②身体の健康状態
・視力が低下して、物を探すことが難しい。
・聴力が低下しているので、誰かが自分のものを隠したと話していると誤解している。

③生活歴
お金で苦労した経験があるので、貴重品が手元にないと不安になる。

④性格
人を疑ってかかる。

⑤社会心理・環境
疎外感や孤独感を感じている。

ステップ3ニーズを探す

理由が想像できたら、その人のケアの方法を考えましょう。視力や聴力が低下しているなら、メガネや補聴器などを検討しましょう。疎外感や孤独感を感じているなら、聴く、話す、触れることで安心感を持ってもらいましょう。

【介護者必読!】認知症のBPSD。具体的なケアの方法5つ

 

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