※この記事にはプロモーションが含まれています。

認知症ケア

【介護者必見】認知症のもの忘れと加齢によるもの忘れの違い

2020年3月13日

疑問をもつ人
認知症の記憶障害と加齢によるもの忘れってどう違うのか知りたい。年寄りの物忘れって認知症とは違うんだよね。

そんな疑問にお答えします。

本記事の内容

・認知症のもの忘れと加齢によるもの忘れの違い
・認知症の記憶障害によって起こる症状
・認知症のチェックリスト

この記事を書いている僕は、介護歴10年以上、認知症高齢者と日々関わっており認知症のことはある程度熟知しています。

結論から言うと、認知症と加齢によるもの忘れは記憶の抜け落ち方に大きな違いがあり、認知症のもの忘れは日常生活に支障をきたすことが多くあります。

本記事では”認知症のもの忘れと加齢によるもの忘れの違い”について解説していきます。

※3分ほどで読める記事になっています。読み終わった頃には、認知症について理解が深まっているはずです。

認知症のもの忘れと加齢によるもの忘れの違い

もの忘れに気づいたとき、「もしかして認知症かも・・・」と不安になったことはありませんか。もしかしたら「年だからしょうがいないよ・・・」と楽観的に考えてたりしている人もいると思います。

認知症のもの忘れと加齢によるもの忘れは全く別物です。では、認知症のもの忘れと加齢によるもの忘れの違いを説明します。

加齢によるもの忘れ

年をとれば、脳の機能が衰えるため誰でももの忘れが見られます。「財布をどこにしまったんだっけ?」「何を買いにきたんだっけ?」といった経験は皆さんにもあると思います。

年をとれば脳の機能は低下していくため次第にもの忘れは増えていきます。が自然な老化によって起こる物忘れは認知症ではありません。

認知症でなければ、財布をしまったことや何かを買いに来たことは覚えています。前後の記憶をヒントに財布のしまった場所を思い出したり、メモを見ることで何を買いにきたのか思い出すことが可能です。

加齢によるもの忘れは記憶の一部を忘れるだけなので、前後の記憶やメモなどがあれば思い出すことが可能です。なので、日常生活に支障をきたすことはほとんどありません。誰にでも起こる加齢によるもの忘れです。

認知症のもの忘れ

認知症のもの忘れは記憶をつかさどる海馬の萎縮によって、新しい情報を記憶する能力が障害されます。つまり新しい情報を保管することが苦手になります。新しい情報が記憶できないので、客観的に見ると「記憶のその部分が抜け落ちた」「体験したことを忘れてしまった」状態になります。

例えば、ニンジンを買って帰り冷蔵庫にしまおうとしたら中に前日に買ったニンジンが入っていたとします。「あ、昨日買ったんだった。」と自分で買ったことを思い出すようなら、ただのもの忘れです。「なんでニンジンがはいっているんだろう?」と買った事態を忘れてしまっているようなら認知症のもの忘れです。新しい情報が記憶できないので、たとえヒントがあっても思い出すことができません。「何を食べたか」ではなく「食べたこと」を忘れる。「誰とあったか」ではなく「会ったこと」を忘れるのが認知症のもの忘れです。

新しい情報を記憶することが苦手でも古い記憶は残っています。こういった記憶障害はアルツハイマー型認知症の初期からよく見られます。

認知症のもの忘れと加齢によるもの忘れを図で解説

認知症の記憶障害によって起こる症状

認知症

同じことを繰り返し言う

新しいことを覚えることが苦手なので、同じことを繰り言います。例えば、出かけた際に家の鍵をかけたことを忘れてしまうので、「鍵かけたかな?」と何度も質問してきます。家の鍵をかけたことを忘れてしまうので、「開けっ放しだったらどうしよう。」と不安がつのり何度も確認するのでしょう。

出来事自体の記憶がなくなる

たとえば、朝食事をしたにも関わらず「何を食べたか」ではなく「食事をした」こと自体が抜け落ちてしまうので、「何を食べたましたか?」と質問しても「何も食べてないよ」と真剣に話します。

数分前の出来事を覚えていない

たとえば、散歩に出かけて、どういった経路で歩いてきたのか忘れてしまうため戻ることができず迷子になってしまうことがあります。

物盗られ妄想が起こる

物盗られ妄想とは、財布や洗濯物などの身の回りの物を盗まれたと妄想する症状です。物盗られ妄想の原因は、たとえば、財布を置く場所を普段とは違う場所に置いてしまい、その置いたこと自体を忘れてしまうことで、いつも置いてある場所に財布がないと誰かに盗られたと妄想が起こります。

認知症の記憶障害の症状に対する対応

認知症の人の記憶障害は、脳の障害によって起こる症状なので苦手なものと受け止めましょう。何度も同じ話をされたとしても決して責めてはいけません。客観的にみると「何度も同じ話をしている」ように見えても、認知症の人にとってはそれは初めて話す内容なのです。そんな人を責めるとかえって不安になり、症状が悪化することがあります。「そんなことわかっているけど同じ話を何度もされたらイライラするよ。」という意見をあると思いますが、責めても症状が悪化するだけでメリットは何もないので、責めるべきではありません。

認知症の記憶障害の対処法

対処法

・覚えておいてほしいことは何度も短い言葉で伝える。
・字が読めるならメモや掲示物で伝える。
・日用品(湯呑やメガネ)などは決まった場所に置いておく。

認知症のチェックリスト

認知症か加齢によるもの忘れなのかチェックするためのチェックシートを作りました。気になる人はつかってみてください。

※このチェックリストはあくまでも”めやす”に過ぎません。

認知症チェックリスト(〇×で解答)

チェックリスト

➀曜日や月がわかる
②住所・電話番号を覚えている
③買い物にいってお金を払える
④物のしまってある場所を覚えている
⑤物がいつもの場所にないとき、見つけることができる
⑥洗濯機やテレビのリモコンなどの電化製品を使いこなせる
⑦自分で季節にあった衣服が着れる
⑧やる気や気力がなくなりボーっとしていることがある
⑨本やテレビの内容がわかる
⑩手紙を書いている
⑪数日前の会話を思い出すことができる
⑫会話の途中でいいたいことを忘れることがある
⑬会話の途中で適切な単語がでてこないことがある
⑭よく知っている人の顔を覚えている
⑮よく知っている人の名前を憶えている
⑯今何時なのか分かる
⑰最近のことが忘れっぽくなった
⑱イライラしやすくなった
⑲料理を工程通り作れる
⑳部屋が整理整頓されている

〇が15未満だった場合は、まずはかかりつけ医に相談してみるか地域の相談窓口に相談してみることをおすすめします。

以上、認知症のもの忘れと加齢によるもの忘れの違いの記事になります。

-認知症ケア
-,

© 2024 しんぶろぐ〜介護ノート〜