ヤバい!
財務省が要介護1.2の高齢者を「軽度者」と定義して、要介護1・2の高齢者の訪問介護や通所介護を総合事業に移行しようとしています。
介護の現場を何も知らないお役所さんの愚策でしかありません。
この記事では、財務省が要介護1.2の高齢者を「軽度者」と定義したことによって、どんな未来になるか介護職の立場から考察していきます。
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✓この記事を書いている人
もくじ
財務省が要介護1・2を総合事業にする経緯
要介護1・2の訪問介護と通所介護を総合事業へ移す構想は、以前から政府内で改革案として取りあげられていました。
しかし、業界の反発が強く見送られてきましたが、4/13の審議会で改めて実現を迫りました。
4/13、財務省は、要介護1・2の高齢者を「軽度者」と定義しました。
「訪問介護の生活援助をはじめ、多様な人材、多様な資源を活用したサービスの提供を可能にすることが効率的」と持論を展開していますが、財務省は、給付費や保険料の伸びの抑制につなげたいようです。
そして、2024年度に控える次の制度改正で、要介護1・2を総合事業へ移行するねらいです。
要介護1.2を総合事業になると通所介護の利用はどうなるのか?
現行では、要介護1.2の方は、支給限度額ないなら通所介護を何日利用しても、1割~3割の負担で利用することができます。
そのため、要介護1の方で、週6日や7日通所介護を利用している方もおられます。
認知症デイの相談員をやっていた頃、要介護1の認知症高齢者が多く通所しておられました。
日中一人だと、外を徘徊するため自宅においておけず、週5や週6で利用される方が多かったです。
しかし、総合事業に移行すると、通所介護の利用は、週2回が原則になってしまう可能性があります。
通所介護の職員は気づいたと思いますがこれヤバイですよね。
要介護1・2は決して軽度者ではない
食事や排泄といった日常動作は自立だけど、認知症で見当識障害や記憶障害がある方が、要介護1.2と認定されています。
認知症高齢者の一番の問題は徘徊です。
つまり行方不明になってしまうんです。
市や区の放送で「○○警察署から行方不明者の情報提供のお願いです。〇月〇日〇時ごろ、○○町で〇〇歳男性が行方不明となっております。特徴は身長○○センチくらい、髪は白髪、服装は黄色いスニーカーをはいています。」といったアナウンスを聞いたことがあると思いますが、ほとんどが要介護1・2の認知症高齢者だと思います。
そのため、自宅にはおいておけず、通所介護を毎日にように利用している方が多いんです。
こういった認知症高齢者は、目がはなせないため、ある意味要介護5の方よりも大変なんです。
要介護1・2を総合事業にするとどうなる?
もし、要介護1・2を総合事業になったら、デイの利用が制限された認知症高齢者の徘徊が増えて、行方不明者も続出するでしょう。
交通ルールを認識できなければ、交通事故も増える可能性があります。
介護サービスを利用出来なければ、家族がみるしかなく仕事をやめなければいけなくなるかもしれません。
その結果、身体拘束が増えたり、崩壊する家庭もでてくるでしょう。
つまり、要介護1・2を総合事業への移行は愚策でしかないと思うんです。
日本デイサービス協会は15日、要介護1・2の高齢者への訪問介護と通所介護を市町村の総合事業へ移す構想に強く反対する声明を発表しています。
現場を理解している人間なら当然の行動です。
まとめ
今回は、財務省が要介護1・2を総合事業への移行を検討していることについて記事にしました。
現場を何も知らないお役所さんの机上の空論できめた施策の実行は勘弁願いたいですね。
お役所さんには、一度介護の現場で働いて実情を理解してほしいモノです。
今回は以上になります。