※この記事にはプロモーションが含まれています。

認知症ケア

幻視に対する上手な対応5選|認知症デイの相談員が解説

幻視

悩む人
「部屋に虫がいるんだよ」とパニックになっている利用者さんにどう対応していいか分からない。「何もいませんよ」と教えても全然わかってくれず、困っています。どんな対応をすべきなのか知りたい。

幻視はレビー小体型認知症によくある症状です。

「何もいませんよ」と事実を伝えたところで納得してくれず、不穏状態はおさまりません。

逆にヒートアップして怒りだすことさえあります。

 

僕も幻視が見える方の対応を何度もして、試行錯誤を繰り返してきました。"

 

この記事では、幻視が対する上手な対応を解説するだけでなく、幻視を減らす方法も解説します。

記事を読めば、幻視を対する上手な声かけがわかり、本人の不安も軽減させることができるはずです。

 

本記事の信頼性

この記事を書いている僕は、10年以上の介護経験がある現役の介護士です。

認知症デイの相談員を4年以上やってます。

Twitterもやってます。(@shinbloger

幻視はレビー小体型認知症によくある症状

幻視はレビー小体型認知症によくある症状です。

レビー小体型認知症では、視覚領域の機能が低下する為。幻視や誤認が多くなります。

そして、幻視は日中よりも夕方から夜にかけて多くなります。

 

具体的な幻視の例を紹介しておきます。

・ねずみが壁を這っている

・蛇が天井に張り付いている

・ごはんに上にに虫がのっている

・知らない人が座敷に座っている

・おばさんがこっちを見ている

・窓から男の人が入ってくる

 

本人の気持ちに寄り添うことが基本

幻視は、本人とってはありありと現実的に見えています。

たとえば、「知らない人がそこにいる」と言ったなら、本人からするとホントにそこにいるように見えるんです。

知らない人が自分の部屋にいたら怖いですよね。

 

そんな時に、「何もいないですよ」「錯覚ですよ」と伝えたところで、納得できるわけないんですよ。

だって本人とってはそこにいるんですから。

 

まずは、その気持ちの寄り添うことです。

否定することなく「人がいるんですね。怖いですね」と寄り添ってあげることが大事です。

 

幻視に対する上手な対応

つづいて、幻視に対する上手な対応の具体例を紹介していきます。

 

幻視に対する上手な対応➀

「虫が見えるんですね。嫌ですね」:共感する

本人にはありありと見えているので、否定してはいけません。

「嫌ですね」といった共感の言葉をなげかけましょう。

幻視に対する上手な対応②

「照明をつけますね」:部屋を明るくする

幻視は暗い場所で起こりやすいので、部屋を明るくすることで幻視が消えることもあります。

実際に照明をつけることで、幻視が消えて落ち着いてくれた方がいました。

 

幻視に対する上手な対応③

「ちょっとフロアの方へいきませんか?」:他の場所へ誘導

幻視が見える場所から逃げて、気分転換してもらうのも効果的です。

フロアでお茶を飲んで一息つくことで不安が消えていきます。

 

幻視に対する上手な対応④

「あっちいけ!」:虫を追い払う

「虫がみえる」と言っているなら、虫を追い払う動作をすることで、幻視が消えることもあります。

追い払った後、「いなくなりましたが?」と聞いたら「うん」とうなずいてくれた方もいました。

 

幻視に対する上手な対応⑤

冷たいタオルで顔を冷やす

幻視は寝ぼけている時に出やすくなります。

冷たいタオルで刺激をすることで、幻視が消えることもあります。

 

室内の環境を整えることで幻視は減らせる

幻視は室内の環境が原因で誘発している場合があります。

たとえば、壁のシミが虫に見えたり、コードが蛇に見えたり、タンスの陰が人に見えたりしてしまうんです。

なので、室内の環境を整えることで幻視を減らすことができるんです。

 

具体的な方法を解説します。

幻視を減らす具体的な方法

・蛍光灯を白熱灯に変える

・なるべく室内の照度を統一する

・影のできる場所を極力少なくする

・壁に洋服をかけない

・ベッドや壁のシミを取り除く

・壁紙の模様はシンプルなものにする

・同じ色の洋服を着たり、同じエプロンを毎回つける

 

それでは一つずつ解説します。

 

蛍光灯を白熱灯に変える

蛍光灯は影を作りやすく、高速でチカチカしているため、幻視を誘発しやすいです。

蛍光灯を避けることは一つの方法です。

 

なるべく室内の照度を統一する

「明るい部屋」「暗めのふろ場」「とても暗いトイレ」といったようにそれぞれに部屋で明るさが異なると幻視を誘発しやすくなります。

同じ照度、同じ電球を使うことが幻視を減らすのに効果的です。

 

影のできる場所を極力少なくする

影が幻視の要因となることが多々あります。

極力を影を作らない室内のレイアウトにすることが大切です。

 

壁に洋服をかけない

壁にかかっている洋服を見て、人と見まちがうことがあります。

そういった状況を回避するために壁に洋服をかけることはおすすめしません。

 

ベッドや壁のシミを取り除く

ベッドや壁のシミがネズミや小動物に見えてしまうことがあるので取り除きましょう。

 

壁紙の模様はシンプルなものにする

はでな模様の壁紙は小動物の見まちがいを起こすことがあります。

シンプルなものにすることで、見まちがいを減らせます。

 

同じ色の洋服を着たり、同じエプロンを毎回つける

洋服の色や、エプロンが変わることで人の見まちがいが起こることがあります。

同じ色の洋服や同じエプロンをつけることで人の認知を高めることができます。

 

これらのすべてをやる必要はなく、本人の幻視の原因となっているモノを取り除くだけで、十分効果は期待できます。

 

幻視は薬の服用でも減らせる

レビー小体型認知症の幻視は、薬の投与によっても減らすことができます。

ただし、レビー小体型認知症は、薬に対して過敏に反応が出る為、適正量の調整は専門医でも難しいとされています。

そのため、医療との連携をして、適正量を見極めていくことがもとめられます。

 

まとめ

今回は、幻視に対する上手な対応を解説しました。

 

繰り返しになりますが、幻視は本人にとってありありと現実的に見えています。

本人は不安であり、パニックになっている場合さえあります。

 

そんな時にまずやるべきことは、寄り添うこと、共感してあげることです。

それが、一番の薬となります。

 

今回は以上になります。

-認知症ケア

© 2024 しんぶろぐ〜介護ノート〜