※この記事にはプロモーションが含まれています。

介護の資格

【キャリアアップしたい介護士必見‼】介護福祉士から社会福祉士は目指せるか?

2021年1月24日

介護福祉士から社会福祉士

悩む人
■介護士として5年以上勤務しています。リーダーにもなりましたが、さほど給料は上がっていません。

■今は大丈夫だけど、4.50代になった時、体力的に介護士を続けられるか不安。今後のキャリアアップとして、社会福祉士を目指すか検討中です。

■介護福祉士から社会福士を目指せますか?社会福祉士試験の受験資格や難易度、業務内容などが知りたい。

そんな悩みにお答えします。

 

介護福祉士と社会福祉士は、どちらも福祉系の国家資格ですが、その仕事内容は大きく異なります。

介護福祉士は、食事・排泄・入浴などの介助や、料理・掃除・洗濯といった生活面のサポートが主な仕事です。

 

一方、社会福祉士は、福祉に関するさまざまな相談や援助を行うことが仕事です。

社会福祉士の資格が取得できれば、介護業界に限らず、医療や福祉、行政など幅広い分野で活躍することができます。

 

この記事では、介護福祉士から社会福祉士を目指すルートや社会福祉士試験の受験資格、試験難易度、そして介護福祉士のキャリアパスの方法を紹介します。

記事を読めば、介護福祉士から社会福祉士になる方法が分かるだけでなく、介護福祉士からキャリアアップする方法まで分かります。

本記事の信頼性

この記事を書いている僕は、10年以上の介護経験がある現役の介護士です。

介護福祉士と福祉用具専門員の資格を持っています。

Twitterもやってます。(@shinbloger

介護福祉士から社会福祉士は目指せるか?

結論を言うと、目指すことはできますが、かなりハードルは高めです。

社会福祉士になるためには、国家試験の受験資格を満たしたうえで試験に合格し、国家資格を取得する必要があります。

業務の特性上、介護福祉士より広範囲の専門知識が必要となり、社会福祉士試験の難易度は、介護福祉士試験よりはるかに上です。

 

さらに、国家試験の受験資格を得るためのハードルも高くなっているので、介護福祉士から社会福祉士を目指すことは、決して簡単なことではなく、長期にわたる努力が必要です。

とはいえ、社会福祉士の資格が取得できれば、活躍できる分野・職場が増えるだけでなく、年収のアップも可能です。

 

ハードルは高いですが、目指す価値のある資格だと思います。

 

社会福祉士国家試験の受験資格

社会福祉士受験資格

社会福祉士の受験資格を得るルートは、複数あります。

学歴や実務経験によって、資格ルートが分かれています。

 

福祉系大学・短大ルート(指定科目履修)

・福祉系大学等(4年)+指定科目履修

・福祉系短大等(3年)+指定科目履修+相談援助実務(1年以上)

・福祉系短大等(2年)+指定科目履修+相談援助実務(2年以上)

 

福祉系大学・短大ルート(基礎科目履修)

・福祉系大学等(4年)+基礎科目履修+短期養成施設等(9ヶ月)

・福祉系短大等(3年)+基礎科目履修+相談援助実務(1年以上)+短期養成施設等(9ヶ月)

・福祉系短大等(2年)+基礎科目履修+相談援助実務(2年以上)+短期養成施設等(9ヶ月)

 

一般大学・短大ルート

・一般大学等(4年)+一般養成施設等

・一般短大等(3年)+相談援助実務(1年以上)+一般養成施設等(1年以上)

・一般短大等(2年)+相談援助実務(2年以上)+一般養成施設等(1年以上)

 

資格・実務経験ルート

・相談援助実務(4年)+一般養成施設等(1年以上)

・社会福祉主事養成機関(2年以上)+相談援助実務(2年以上)+短期養成施設等(9ヶ月)

・児童福祉士司/身体障害者福祉司/審査指導員/知的障害者福祉司/老人福祉指導主事の実務経験4年+短期養成施設等(9ヶ月)

 

大卒の場合、養成施設へ1年以上通えば受験資格が得られる

4年制大学を卒業している場合、一般養成施設と呼ばれる学校に1年以上通うことで、社会福祉士国家試験の受験資格が得られます。

一般養成施設には夜間課程や通信課程のところもあるので、介護福祉士の仕事と社会福祉士の勉強を両立させることも決して不可能ではありません。

 

さらに、福祉系大学卒で、介護福祉士と社会福祉士共通の基礎科目を履修している場合は、9ヶ月の短期養成施設を履修することで、受験資格が得られます。

自身の履修状況について、出身大学などで確認してみてください。

 

大卒以外の場合は、相談援助の実務経験が必要

大卒以外の場合、相談援助の実務経験を積む必要があり、学歴によってその年数は異なります。

・短大(3年)→相談援助実務(1年以上)

・短大(2年)→相談援助実務(2年以上)

・高卒    →相談援助実務(4年以上)

※相談援助実務の一例を紹介すると、高齢者施設の生活相談員や介護支援専門員です。

 

相談援助実務は、未経験で該当する業務につくことはほぼ不可能です。

ある程度、介護の経験をつまないと、相談援助実務は務まりません。

ましてや、施設・事業所も未経験の方に相談援助実務をまかせることはしないです。

 

なので、相談援助実務を経て、社会福祉士を目指すとなると、長期期間が必要となります。

現実的なのは、実務経験を積む道よりも、4年制の福祉系大学に入学する道のほうかもしれません。

通信課程の大学もあるので、介護福祉士として働きつつ、大学生として勉強することも可能です。

 

介護福祉士から社会福祉士を目指す場合

介護福祉士は、実務経験3年を積めば、学歴に関係なく受験資格が得られるので、大卒でない方も多いと思います。

介護福祉士から社会福祉士を目指すとなると、相談援助実務を積み上げるか、福祉系大学へ通学するかになります。

 

どちらにせよ、長期期間がかかることを覚悟する必要があり、受験資格を満たしたとしても、国家試験の難易度はかなり高めです。

それなりの覚悟をもって取り組む必要があります。

 

社会福祉士国家試験の合格率と難易度

社会福祉士試験の過去5年間の合格率はこちらになります。

実施時期 合格率 受験者数 合格者数
第32回 令和元年度
(2020年2月2日)
29.30% 39,629人 11,612人
第31回 平成30年度
(2019年2月3日)
29.90% 41,639人 12,456人
第30回 平成30年度
(2018年2月4日)
30,2% 43,937人 13,288人
第29回 平成29年度
(2017年1月29日)
25.80% 45,849人 11,828人
第28回 平成28年度
(2016年1月24日)
26.20% 44,764人 11,735人

合格率は、毎年30%にも届きません。

介護福祉士の合格率は60%~70%です。

それと比較すると、社会福祉士試験の難易度はかなり高いことが分かるはずです。

 

介護福祉士試験の出題範囲は、主に介護関連の内容に限られていますが、社会福祉士試験の出題範囲は福祉関係全般となるので、出題範囲も広く難易度が上がります。

社会福祉士試験の学習時間はおよそ300時間、学習期間は、5~10か月と言われています。

一方、介護福祉士試験の学習時間はおよそ100時間、学習期間は、3ヶ月ほどです。

 

社会福祉士試験に一発合格するのは、かなり難しいかもしれません。

2回、3回と試験にトライする根気と覚悟、そして継続して勉強する忍耐力が必要になると思います。

 

社会福祉士の業務内容・職場・年収

社会福祉士の業務内容は、身体上もしくは精神上の障害がある方、または環境上の理由によって日常生活を営むのに支障のある方、困難を感じている方を対象に、「相談・連携・援助」を行うことが主な仕事です。

 

相談

障害や病気などのさまざまな理由により、日常生活を送ることが困難な方の相談にのります。

 

連携

福祉サービスの提供者、医師、その他の保健医療サービスを提供する者に相談者をつないだり、利用のための調整をしたりします。

 

援助

専門知識及び技術をもって相談者を援助します。

 

その内容は、勤務先・対象者・相談者の抱える問題等によって異なります。

社会福祉士は医師や看護師のような「業務独占」の資格ではなく、「名称独占」資格です。

 

したがって資格取得者だけが社会福祉士を名乗れますが、同様の業務については資格を持っていない方でも行うことができます。

しかし、社会福祉士の資格を持っていれば高い水準の専門知識とスキルを有していると認められ、就職などで有利になります。

 

社会福祉士が活躍する職場

社会福祉士活躍の場

社会福祉士の勤務先は福祉施設や医療機関、行政機関、病院や学校など多岐にわたります。

そして、職場によって担う役割も異なります。

勤務先の具体例と担う役割の一部を紹介します。

 

児童福祉→児童養護施設、乳児院、母子生活支援施設、障害児通所・入所施設など

仕事例:児童養護施設で「児童指導員」として勤務。

養護を必要とする子どもたちの生活支援を行います。

 

高齢者福祉→特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、有料老人ホーム、地域包括支援センターなど

仕事例:特別養護老人ホームで「生活相談員」として勤務。

入退所の手続きや、入所者や家族との相談対応、関係機関との連絡調整などを行います。

 

医療機関→一般病院、精神科病院、診療所、介護療養型医療施設など

仕事例:大学病院で、医療ソーシャルワーカーとして勤務。

患者さんやその家族の抱える経済的・心理的・社会的問題の解決、調整を援助し、社会復帰の促進を図る業務を行います。

例えば障害や病気があって経済面や就労面に困りごとがあり、どのような支援や制度が受けられるのかが分からない・申請方法が分からないといった悩みを抱えている人の相談に乗り、適切な支援や制度やその使い方をアドバイスします。

 

行政→福祉事務所、児童相談所、ハローワーク、保健所など

仕事例:福祉事務所で「相談員」として勤務。

生活保護受給者、高齢者、児童、母子、身体障害者、知的障害者や精神障害者などに対して、福祉サービスの相談に応じます。

 

学校→普通校のほか、特別支援学校、特別支援学級、フリースクールなど

仕事例:小中学校で「スクールソーシャルワーカー」として勤務。

子どもをとりまく家庭環境や生活している地域の特性などを把握し、学校の先生や保健所などの関係者たちとともに課題解決への道を探ります。

 

上で紹介したのは社会福祉士の活躍の場のほんの一部です。

他にも、生活困窮者や出所後の方、配偶者から暴力を受けている方など、さまざまな分野で活躍できます。

 

社会福祉士の年収

社会福祉士の平均年収は、380~550万円です。

平均月収は25万~35万円程度、税金や社会保険料などを差し引いた手取りは19万~28万円程度となります。

社会福祉士で最も稼いでる方の年収は、550万円ほどです。

 

資格取得によって、独立や副業も可能になるので、さらに年収をアップさせることも可能です。

基本的に年齢が上がれば、年収も上がっていきます。

 

参考までに、社会福祉士の年代別の年収は下記になります。

年代 年収
20代  270万~338万円未満
30代  371万~423万円未満
40代  476万~533万円

介護福祉士の平均年収が、290~340万円なので、社会福祉士になるとおよそ100万円以上年収で稼げることがわかります。

 

ただし、あくまでも平均年収です。

雇用形態や役職により、年収は大きく変動するので、一概には言えない部分があります。

とはいえ、介護福祉士より社会福祉士の方が、確実に稼げるのは間違いないでしょう。

 

介護福祉士と社会福祉士の違い

ここでは、介護福祉士と社会福祉士について、業務内容や国家試験の受験資格、難易度、年収などの違いを比較していきます。

項目 介護福祉士 社会福祉士
業務内容 身体介護、生活援助 相談・連携・援助
活躍できる職場 高齢者施設
障害者施設
医療施設
児童福祉
高齢者福祉
医療機関
行政
学校
国家試験の受験資格 介護福祉士養成施設
OR
福祉系高等学校卒
OR
実務経験3年以上
4年制大学卒+養成施設
OR
短大卒・高卒+相談援助実務+養成施設
試験範囲 介護に関する領域 福祉関係全般
学習時間 100時間 300時間
国家試験の合格率 60%~70% 30%未満
国家試験の難易度 易しい 難しい
年収 290~340万円 380~550万円

 

介護福祉士をまだ取得していない方は、まずは介護福祉士をめざしましょう。

取得をすれば、給料アップや仕事の幅が広がり、転職にも有利になります。

介護福祉士の受験資格や取得条件を解説した記事があるので、介護福祉士に興味がある方はそちらをご覧ください。

≫【総まとめ】介護福祉士の業務内容から資格取得の仕方まですべて解説

 

介護福祉士からのキャリアップは他にもある

ここまで、社会福祉士の業務内容や職場、国家試験の受験資格や難易度を紹介しました。

それを見て、社会福祉士は「かなりハードル高い」「ちょっと無理かも」と感じた方も多いのはないでしょうか。

 

そこで、社会福祉士以外の介護福祉士からのキャリアアップ方法を紹介します。

介護福祉士のキャリアップ

ホーム長や・施設長をめざす。

認定介護福祉士をめざす。

ケアマネージャーをめざす。

看護師をめざす。

訪問介護事業所を立ち上げる。

 

ホーム長や・施設長をめざす。

ホーム長や施設長などの責任者を目指すといった方法があります。

仕事内容は、主にマネジメントです。

 

こういった立場になるための代表的な方法は、1つの施設で長く勤めること。

しかし、ホーム長や施設長は、施設に1人です。

前任者が退かない限り、就任できないというハードルがあります。

 

とはいえ、責任ある立場なので、就任できればやりがいもあり、年収もぐっと上がります。

実現したい夢や思いがある方、周囲を巻き込み引っ張っていくことが好きな方には、向いているかもしれません。

 

認定介護福祉士をめざす。

介護の専門性を極めるなら、認定介護福祉士をめざす道があります。

認定介護福祉士は、介護福祉士の上位資格として位置づけられている資格です。

認定介護福祉士をめざせば、介護の視野が広がり、チームマネジメント力やサービス向上の指導力がみにつきます。

 

とはいえ、資格取得には、5年以上の実務経験や2年近くの研修を受講する必要があり、ハードルはかなり高めです。

創設されてから間もないこともあり、社会的地位もまだ確立できていません。

 

筆者の個人的な意見としては、あまりおすすめしません。

なぜなら、取得のハードルの高さのわりに、メリットがほぼないからです。

なので、資格取得でキャリアアップを目指すなら、他の資格を目指すべきだと思います。

 

認定介護福祉士の役割や取得条件、取得するメリットなどを解説した記事があるので、詳しく知りたい方は、下記の記事をご覧ください。

≫【たった60人】認定介護福祉士の役割や取得方法をわかりやすく解説

 

ケアマネージャーをめざす。

ケアマネージャーの資格取得を目指す道もあります。

ケアマネージャーの仕事内容は主にケアプランの作成になります。

 

受験資格は、該当する国家資格を所有したうえで、5年以上の実務経験、もしくは生活相談員として5年以上の実務経験を経ることで、得られます。

試験の合格率は、10%~20%です。

 

養成施設を受講しなくても実務経験だけで、受験資格が得られるので、社会福祉士より現実的かもしれません。

とはいえ、資格取得までに長期期間がかかるのは変わりありません。

 

看護師をめざす。

介護福祉士から看護師になるのは困難な道ではありますが、ステップアップにつながります。

また、看護師の資格を取得することで介護福祉士にできなかった業務ができるようになります。

看護師になるための学校は、看護大学、看護短大、専門学校があり、卒業までは3〜4年程かかります。

 

訪問介護事業所を立ち上げる。

訪問介護事業所を立ち上げれば、その事業所の経営権やサービスの提供内容、運営方針や人員配置などを、法律をもとに理想的な事業運営を実現できます。

ただし、事業所を新たに立ち上げるためには多くの資金や人脈が必要になるため、簡単なことではありません。

 

介護福祉士からキャリアアッププランをいくつか紹介しました。

どの道もハードルが高く、長期期間がかかる道ばかりです。

 

とはいえ、コツコツ積み上げれば決して超えられないハードルではありません。

5年後、10年後の理想の自分を想像したり、自分の適性を見極めたうえで、今後のキャリアプランを考えてみてください。

 

まとめ:介護福祉士から社会福祉士はハードルは高め

今回は、介護福祉士から社会福祉士を目指すルートや社会福祉士試験の受験資格、試験難易度、そして介護福祉士のキャリアアップの方法を紹介しました。

 

本記事のおさらい

介護福祉士から社会福祉士を目指す方法

相談援助実務を積み上げる

福祉系大学へ通学する

 

その他のキャリアアップブラン

ホーム長や・施設長をめざす。

認定介護福祉士をめざす。

ケアマネージャーをめざす。

看護師をめざす。

訪問介護事業所を立ち上げる。

介護福祉士のキャリアアップは、どの道もハードルが高くて、長期期間を要するものばかりです。

しかし、コツコツ積み上げていれば、決して到達できないキャリアではありません。

覚悟をもって取り組めば、かならず達成できるはずです。

 

今回は以上になります。

-介護の資格

© 2024 しんぶろぐ〜介護ノート〜