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介護の仕事

【現役介護士が教える!】介護記録を上手に書くための8つのポイント

介護記録

悩む人
■伝わりやすい介護記録の書き方がわからない

■書き方を教えてもらってないので、見様見真似でやっている

■書き方が分からないからいつも時間がかかる

介護記録は、スタッフ間の情報共有のため、また質の高い介護サービスを提供するためには、欠かせないものです。

しかし、書き方を知らずに適当に書いていると内容の薄いモノとなっていしまいます。

 

この記事では、介護記録を上手に書くポイントだけでなく、ケース別の実例集も紹介します。

記事を読めば、介護記録の書き方がわかり、書くストレスを軽減することができます。

 

記事を書いている人

この記事を書いている僕は、10年以上の介護経験がある現役の介護士です。

介護福祉士と福祉用具専門相談員の資格を持っています。

Twitterもやってます。(@shinbloger

 

ちなみに、介護記録が分かりやすくなる表現方法を一覧にまとめた記事があります。

この記事の表現集を使えば、わかりやすい介護記録がかけるようになるはずです。

参考
【超便利!】介護記録でそのまま使える198個の表現集

続きを見る

介護記録を書く目的

まずは、介護記録の書く目的を確認しましょう。

介護記録を書く目的は主に3つです。

介護記録を書く目的

・介護サービスを積み重ねるため

・ケアの振り返りのため

・スタッフ同士で情報共有するため

 

それでは一つずつ解説します。

 

介護サービスを積み重ねるため

利用者の自立やQOLの向上は、利用者との関わりを積み重ねる先にあります。

利用者の利益のために、介護記録を書く必要があります。

また、記録を残すことで、異常の早期発見にも役立ちます。

 

ケアの振り返りのため

忙しく働く介護職は、業務中に自分のケアを振り返る余裕はありません。

振り返るためには、介護記録が必須です。

自分のおこなったケアが、支援の方向性として正しいか、ケアプランにそったケアとなっているか確認することが大切です。

 

スタッフ同士で情報共有するため

1人の利用者には、複数の介護職がかかわります。

そして、ケアには一貫性を持たせる必要があります。

そのため、スタッフ同士の情報共有には介護記録が不可欠です。

 

以上の3つが介護記録を書く目的です。

 

介護記録を上手に書くための8つのポイント

つづいて、介護記録を上手に書くためのポイントを解説します。

介護記録を上手に書くための8つのポイント

・基本は5W1Hで書く

・主語、述語は必ず書く

・先に結論を述べる

・能動態で書く

・「思う」「思います」は多様しない

・専門用語や略語の使い方には注意する

・敬語はなるべく使わず、端的に書く

・文章を詳しくする修飾語をつかう

 

それでは、一つずつ解説します。

 

基本は5W1Hで書く

When(いつ)、Where(どこで)、Who(だれが)、What(なにを)、Why(なぜ)、How(どのように)を意識して書くようにしましょう。

5W1Hを意識することで、伝わりやすい文章となります。

 

主語、述語は必ず書く

介護記録は、利用者やその家族が開示をもとめれば、読めるモノです。

誰が読んでもわかるように、主語、述語を必ず書くようにしましょう。

 

先に結論を述べる

介護記録では、先に結論から書くようにしましょう。

文章の間に長い説明文がはいると、読みにくい文章になります。

「誰が何をした」と結論から書くことで、読みやすい文章になります。

 

能動態で書く

「今朝、ハルオさんに庭を散歩していただきました。」という文章をみかけます。

尊敬語のつもりでつかっているのでしょうが、受動態となっています。

「今朝、ハルオさんは庭を散歩しました」と能動態で書くことで、主体がハッキリとした文章となります。

 

「思う」「思います」は多様しない

「思う」「思います」を多用すると事実関係があいまいになってしまいます。

「です」「だった」「しました」で締めくくることで、事実関係がハッキリとした文章になります。

 

専門用語や略語の使い方には注意する

Fa(家族) BP(バイタル) KT(体温) アセス(アセスメント)となどの専門用語や略語は、できるだけ使わない方がいいです。

介護記録は、利用者やその家族が開示をもとめれば、読めるモノです。

専門用語や略語をあると理解できない文章となります。

 

また、略語は全国で統一されたモノではなく、施設独自のモノがほとんどです。

そのため、公文書には適しません。

 

敬語はなるべく使わず、端的に書く

介護記録は、敬語を使わずに端的に書くようにしましょう。

介護記録は、利用者に対する文章(連絡ノート)ではないので、分かりやすく書くことが大切です。

 

文章を詳しくする修飾語をつかう

主語、述語だけでなく、文章を詳しくする修飾語を使うようにしましょう。

修飾語を使うことで、文章が具体的な表現になり、読み返したときにリアルな様子が読み手に伝えることができます。

 

以上の8つのポイントを意識することで、読みやすい介護記録がかけるようになります。

 

介護記録の良くない事例と良い事例

ここでは、介護記録の良くない事例と良い事例をケースごとに紹介します。

食事の場面

良くない事例

12:00 鈴木さんは、食欲がない様子だった。途中でスプーンを置いてしまった。主食2/3 副食2/3 汁全量摂取。 途中からスタッフが介助

 

良い事例

12:00 鈴木さんの体調・表情は良い。はじめに「食欲がない」を話していたが、配膳された昼食をゆっくり食べ始める。 しかし、スプーンがうまく使えずにイライラして、「ご馳走様」とスタッフに話し、スプーンを置く スタッフが「一緒にだべましょう」と声かけし、介助にて主食のご飯2/3 副食の焼き魚とみそ汁を全量食べた。

 

入浴の場面

良くない事例

10:30 入浴前はいつもと変りなし、安全を確認しながら介助をおこなった
11:00 入浴後の水分を補給した 少しつかれた様子

 

良い事例

10:30 入浴前のバイタルサイン:血圧132/80mmhg 脈拍67回/分 体温36.4度で異常なし。「大好きなお風呂だね。体調はいいよ。」と話す。介助にてゆっくりと服をぬいだ。本人がタオルで顔をふき、身体の前面をタオルに石鹸をつけて洗った。それ以外の部位と髪をスタッフがあらった。湯船につかると「気持ちいい ずっとはいっていたい」と話していた。

11:00 入浴後のスポーツ飲料をすすめると、コップ1杯分(150ML)を飲みながら、「長湯したかな、少し疲れた」と話した

 

口腔ケアの場面

良くない事例

19:30 夕食後の口腔ケア。自分で歯を磨くと言い張る しかし、歯ブラシが動かさない。義歯をはずそうとしたが口をあけない。 いつものわがまま 5分後やっと口をあけたので、義歯を預かる

 

良い事例

19:30 夕食後に佐藤さんの口腔ケアを行う。通常はスタッフが介助を行うが、本人の意志により、今日は自身で歯ブラシを持つ。腕がなかなか口元までとどかず、スタッフが手を添えて介助する。途中からはスタッフが歯ブラシをもち、介助する。義歯のあたる箇所の口内炎は関知していないが、麻痺側ということもあり、「痛くない」と話す。スタッフが、「入れ歯外しますよ」と声かけして、義歯を外そうとするが、口があかなかった。「このまま寝たい」と話す。「きれいに掃除したいので、お預かりしますよ。」と言うと、「そうかい」と話し口があいたので、義歯を外して預かる

 

介護記録は繰り返し書けば早くかける

実例集を読んだ方の中には、「こんなに詳しく書けないし、書いている暇なんてないよ」と思った方もいるのではないでしょうか?

介護記録は、繰り返し書くことでスピーディにかつ内容のあるモノを書けるようになっていきます。

そして、介護記録は毎日書くモノなので、必然的に上達していきます。

 

今回、紹介した上手に書くポイントを意識して、継続していくことで、確実に質の高い介護記録が書けるようになります。

 

メモを習慣づけよう

日々忙しく働いている介護職は、業務中に介護記録を書く余裕がなく、ある程度時間が経過した後に、まとめて書くことがほとんどです。

いざ介護記録を書こうとしたときに、きおくがあいまいで、正確な介護記録が書けないといった経験を誰もが したことがあると思います。

 

そこで、メモをとる習慣をつけることをおすすめします。

メモを持ち歩き、記録すべきことがあったら、メモりましょう。

箇条書きや重要なキーワードだけでもOKです。

記録すべき内容がもれなく記録できるようになります。

 

まとめ

今回は、介護記録を上手に書くための8つのポイントを解説しました。

 

本記事のおさらい

介護記録を上手に書くための8つのポイント

・基本は5W1Hで書く

・主語、述語は必ず書く

・先に結論を述べる

・能動態で書く

・「思う」「思います」は多様しない

・専門用語や略語の使い方には注意する

・敬語はなるべく使わず、端的に書く

・文章を詳しくする修飾語をつかう

 

今回は以上になります。

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