介護の仕事

【介護職向け】緊急時に医療職へ伝えるべきチェック項目を症状別に解説

医療

悩む人
■医師や看護師に何を伝えるべきかわからない。

■医療職にいろいろ質問されたけど、うまく答えられなかった。

■救急搬送した時、救急隊に聞かれたことに答えられず呆れられた。

こんな経験をしたことはないですか?

 

介護職は、研修で多少は高齢者の病気について学ぶ機会があります。

しかし、症状に対する対応や報告の仕方についてガッツリ学ぶ機会がほとんどありません。

 

僕は、10年以上介護職をやってます。

その中で、症状に対する対応や報告の仕方を学んだ経験は数えるほどしかありません。

その結果、緊急時にうまく報告できず、救急隊に怒られた経験もあります。

 

この記事では、医療職へ伝えるべきチェック項目を症状別に解説します。

介護職向けに最低限知っておくべき知識をまとめています。

 

ちなみに、この記事ではこちらの書籍を参考にしています。

 訪問診療をやっているドクターが書いた書籍で、とても読みやすい内容となっています。

 

記事を書いている人

この記事を書いている僕は、10年以上の介護経験がある現役の介護士です。

介護福祉士と福祉用具専門相談員の資格を持っています。

Twitterもやってます。(@shinbloger

バイタルサインについて

バイタルサインはその人が生命活動を維持していることを示す、非常に基本的なサインであり、どんな状況でも報告が必要なモノです。

バイタルサインとは、心拍数、血圧、意識レベル、呼吸数、サチュレーションのことです。

 

詳しくは、【超重要】介護職が最低限知っておくべきバイタルサインの記事にて解説しているので、ご覧ください。

 

ここからは、医療職へ報告すべきチェック項目を症状別に解説していきます。

これから紹介するチェック項目をマスターすれば、医療職ともスムーズな連携がとれるようになります。

 

症状別のチェック項目:発熱

発熱の原因として、一番頻度が高く緊急にもなりやすいのが感染症です。

他にも、腫瘍熱や熱中症などでも発熱することがあります。

 

「発熱」でおさえておくべきチェック項目はこちらになります。

・バイタルサイン

・内服薬

・既往歴

・尿量

・食事量

・飲水量

 

それでは補足すべき項目を解説していきます。

 

バイタルサイン

バイタルサインはどんな症状でも、報告すべき項目です。

血圧、意識レベル、心拍数、サチュレーションは最低限報告しましょう。

 

高齢者の場合、感染症になると意識レベルが悪くなることがあるので、注意が必要です。

 

尿量

おしっこの量は、実は非常に重要な項目です。

尿の色や量からも症状の原因をさぐることができるからです。

 

可能であれば尿量だけでなく、尿の色も報告しましょう。

難しいようであれば、回数だけでも報告しましょう。

 

食事量

食事量は、全身状態を把握するのにも役立ちます。

しっかり食事を摂っている人は、体力がある印象がありますが、食事量が少ないと「ちょっとまずいかな?」という印象をうけます。

 

飲水量

体内の60%が水分です。

そして水分は身体を常に循環しています。

飲水量を知ることは、体の水分量を把握するのに重要な項目です。

 

水分量は、使用しているコップ一杯分が何CCかでおよそ把握できるはずです。

例えば、200ccのコップで5杯飲んだなら、「1000cc」と報告して下さい。

みそ汁やジュースなどもカウントに入るので、飲水量に含めてください。

 

これらのチェック項目を報告すれば、医療職が欲しい情報を網羅できているはずです。

 

症状別のチェック項目:外傷、転倒

外傷による出血の場合は、報告が必要です。

そして、出血が止まらない場合にまずやることは「圧迫止血」です。

感染予防のため、手袋をして対応しましょう。

 

それでは、「外傷、転倒」でおさえておくべきチェック項目はこちらになります。

・バイタルサイン

・内服薬

・既往歴

・痛みの部位、動かせるのか?立てるのか?

・現在の外出血の有無

・見た目の四肢の変形

・悪心、嘔吐の有無

 

それでは、補足すべき項目を解説します。

 

バイタルサイン

バイタルサインは、時間とともに変化します。

特に外傷の場合、出血がバイタルを変化させます。

出血量が多いと、血圧は下がり、心拍数は上がります。

 

目に見える出血は気づきやすいですが、骨折や内臓出血、頭蓋内出血などの身体の中で、起こる出血は気づきにくいです。

 

既往歴・内服薬

出血の場合、重要になるのはバイアスピリンやワーファリンといった血液をサラサラにする薬を飲んでいるかです。

内服している場合、普通だと命とりにならない外傷でも、出血が止まらず命とりになる場合があります。

 

痛みの部位、動かせるのか?立てるのか?

バイタルサインが大丈夫なら、次に痛みの部位と動きの確認です。

高齢者が骨折しやすい箇所は、大腿骨近位骨折(足の付け根)、脊椎骨折(背中や腰)、上腕骨近位骨折(肩)、橈骨遠位端骨折(手首)です。

 

・腕や肩はあがるか?

・手首は動かせるか?

・立ち上がれるか?

などを確認しましょう。

 

もし腫れがある場合には、かなり疑わしいと思ってください。

 

頭部外傷について

頭部外傷の場合、後から症状が出てくる場合があるので、注意が必要です。

もし、嘔吐や意識混濁があった場合は、即搬送です。

 

症状別のチェック項目:血便、吐血

目に見える出血以外で、頻度が高く緊急性が高くなりがちなのが消化管出血です。

まずは、消化管出血を含めた口や肛門部からの出血について、最低限知っておくべき基礎知識を解説します。

 

黒色便:胃や食道付近で出血がある場合、黒色便やコーヒー状の吐血をする場合があります。

繰り返すようなら、緊急度は高いと判断して下さい。

 

赤色便:小腸から大腸、肛門部にかけて出血がある場合、赤色便があります。

これも繰り返すようなら緊急度は高くなります。

また、痔による出血の場合もあるので、肛門部を確認して見てもいいと思います。

 

吐血:黒色である場合、ほとんどが胃からの出血です。

 

喀血:肺などの呼吸器での出血です。

吐血との違いは、血液に泡がはいっているかどうかです。

 

それでは、「血便や吐血」において、おさえておくべきチェック項目を解説します。

・バイタルサイン

・内服薬(特に、鉄剤や血液サラサラの薬)

・既往歴

・出血のおおよその量

・直近の食事内容と量

・飲水量

 

それでは、補足が必要な項目を解説していきます。

 

バイタルサイン

血液の低下や心拍数の上昇がある場合、緊急性は高いです。

時間とともに変化することが予想されるので、頻回なバイタルチェックが必要です。

 

内服薬

バイアスピリンやワーファリンなどの血液サラサラの薬を飲んでいる場合、出血がとまりずらいので注意が必要です。

また、鉄剤(貧血を改善する薬)を飲んでいる場合、薬の影響で黒色便がでます。

当然、正常な反応なので、「黒色便だ!」と急いで医療職へ報告するとお叱りを受けます。

 

既往歴

既往に、胃潰瘍や胃がんがある場合、自然に止血されることが少なく、出血が持続する場合があるので注意が必要です。

 

直近の食事内容と量

ノリやイカスミなどの黒いモノを食べた場合、便は黒色になります。

 

これらのチェック項目を報告すれば、医療職が欲しい情報を網羅できているはずです。

 

症状別のチェック項目:呼吸苦

呼吸苦とは、「ハーハーゼーゼー」言っていて苦しんでる状態です。

呼吸苦となる症状で多いのは、発熱、喘息、心不全です。

 

発熱:熱がでると呼吸が荒くなります。

喘息:喘息発作では、吐くときに特有の「ヒューヒュー音」が出ることがあります。

心不全:心臓の動きが悪くなるなることで、肺や下肢に水がたまったりする病気です。

 

それでは、「呼吸苦」でおさえておくべきチェック項目を紹介します。

・バイタルサイン

・呼吸音(見た目でOK)

・内服薬

・既往歴

・飲水量

・尿量

・塩分摂取量

・むくみ

・発汗

・起座呼吸

・体重変化

・意識レベル

 

それでは、補足すべき項目を解説します。

 

起座呼吸

起座呼吸とは、苦しくて横になれず、夜間でも少し体を起こして呼吸している状態です。

喘息や心不全の重症の方に見られる症状です。

起座呼吸や会話ができないくらい苦しい場合には、入院が必要です。

 

尿量

体から出ていく水分量を調べる必要があります。

チェックが難しい場合には、トイレの回数やパッド内の尿量でもかまいません。

 

むくみ

体内に水分が駐留すると、体がむくんできます。

活動的な人は、下肢がむくみますが、活動性が低くて寝たきりの人は、体感や顔からむくんでくる場合があります。

 

体重変化

体重は、体に液体がたまっているかを調べるのに有効な方法です。

心不全で体内に水分がたまっている人は、体重が数キロ増加する場合がありあす。

 

これらのチェック項目を報告すれば、医療職が欲しい情報を網羅できているはずです。

 

症状別のチェック項目:高血糖、低血糖

糖尿病は、簡単に言うと「ほっておくと血糖値が高くなる病気」です。

血糖値が高いと合併症として、目の病気や腎臓に病気、神経の病気、大血管の病気があります。

 

これらの病気は、糖尿病から年単位で発症することが多い疾患です。

そのため、今日の血糖値を下げましょうとなるわけです。

 

介護職が注意すべきは、内服やインスリンによる高齢者の低血糖です。

低血糖が長時間続くと脳にダメージをあたえて、認知症が進む場合があるからです。

低血糖の症状は、頻脈、発汗、異常行動、意識障害です。

低血糖により、意識を失う場合もあります。

 

それでは、「高血糖、低血糖」においておさえておくべきチェック項目を紹介します。

・バイタルサイン

・血糖値

・内服薬(インスリンの単位)

・既往歴

・食事量

・飲水量

・尿量

・意識レベル

 

それでは、補足すべき項目を解説します。

 

内服薬(インスリンの単位)

高血糖や低血糖問わず、血糖値異常は、医師からの指示で、内服やインスリンの単位が変わったあとに生じるケースがあります。

なので、最近の薬剤の種類や量を把握しておく必要があります。

 

意識レベル

高血糖や低血糖が重度だと、意識障害を起こす場合があります。

 

食事量

差し入れなどで、一時的に血糖値が上がる場合もあります。

なぜ値が変化しているのか把握するために、食事量は重要な情報です。

 

飲水量、尿量

高血糖になると、脱水症になりやすくなるため、飲水量や尿慮も重要な情報情報です。

 

これらのチェック項目を報告すれば、医療職が欲しい情報を網羅できているはずです。

 

まとめ

今回は、緊急時に医療職へ伝えるべきチェック項目を症状別に解説しました。

 

忙しく働いてる介護職は、症状に対する対応や報告の仕方を学ぶ機会がほとんどありません。

しかし、緊急事態は突然としてやってくるものです。

そういった場面にそなえて、この記事が少しでも役立てればと思っております。

 

今回は以上になります。

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