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認知症ケア

【家族向け】祖母の徘徊に困っている方へ。徘徊の原因と対応の仕方

2020年6月20日

悩む人
祖母の徘徊に困っています。祖母は認知症で、昼夜問わず外へ出て行ってしまいます。最近家に帰ってくることができず、警察にお世話になりました。母も私も日中仕事をしていて祖母に付きっ切りになれません。

そんな悩みにお答えします。

 

本記事の内容

・認知症の徘徊の危険性
・認知症の徘徊の原因
・徘徊を減らす方法
・徘徊に備えてするべきこと
・万が一行方不明になった時は

結論から言うと、認知症の徘徊をゼロにすることは難しいです。なので、安全に徘徊できる環境を整えることを意識しましょう。

 

本記事の信頼性

この記事を書いている僕は、介護歴10年以上。現在も認知症対応型通所施設で相談員をしています。

 

この記事を読み終わった頃には、徘徊の悩みを改善する糸口がつかめているはずです。

認知症の徘徊の危険性

認知症の症状には、被害妄想や暴言、抑うつなど他にもいろんな症状がありますが、いちばん介護をする家族にって大変な症状は徘徊です。

なぜなら、徘徊を止めることが難しいうえに、危険性が高いからです。

例えば、転倒によるケガや、夏場なら熱中症や脱水症。踏切事故や交通事故に巻き込まれるなど、当人や家族だけの問題にとどまらない重大な事故の事例もあります。

 

2019年、全国の警察に届け出があった徘徊からの行方不明者の数は17000人以上。

行方不明から5日経過すると生存率は0%というデータもあるくらいです。

今や認知症の徘徊は社会問題となっています。

 

認知症の徘徊の原因

認知症の徘徊を周りの人は理解するのは難しいですが、その行動には必ず理由があります。

意味もなく歩き回っているわけではないのです

結論から言うと、普通なら当たり前の行動が、認知症の記憶障害や見当識障害により、「忘れる」ことによって徘徊となってしまうのです。

 

認知症の徘徊の原因を具体的に紹介します。

 

道に迷って

道順や風景などを忘れてしまう記憶障害や、ここがどこだかわからなくなる見当識障害があると、慣れている道でも迷ってしまい徘徊してしまうことがあります。

また、家の中でもトイレの場所が分からなくなり、歩き回るといったことも起こります。

 

家に帰ろうとして

見当識障害があるとここが自分の家だとわからなくなり、家に帰ろうとして徘徊する場合があります。

また、記憶障害により自己認識が若くなり、子供のころの世界観で過ごしてしまっていると、昔の家に帰ろうとして徘徊するケースもあります。

 

なぜここにいるのか忘れてしまい

例えば、病院の待合室で何でここに来たのか忘れてしまって、現状を理解しようと外へ出て行ってしまうケースがあります。

 

娘を迎えに行こうとして

記憶障害により自己認識が若くなり、昔の子育てしていたころの世界観で過ごしている方は、娘を学校に迎えにいこうとして外へ出て行ってしまうケースがあります。

 

趣味活動をしようとして

記憶障害により自己認識が若くなっていると、若いころからの趣味活動や習慣などから外へ出ていくケースがあります。

例えば、山登りが趣味だった方は、山へ行こうとして、庭の水やりが日課だった方は、水やりをしょうとして出て行ってしまうなどです。

 

ここにいることが不安になって

家族の顔を忘れてしまい、知らない人がいると不安になり、現状から逃れようとして外へ出て行ってしまうケースがあります。

 

症状の一つ、常同行動

前頭側頭型認知症の症状で、同じところを行ったり来たりする症状があります。

 

忘れてしまうなら、徘徊を止める方法がないじゃん!と思うかもですが、徘徊を減らす方法や安全を保つを方法あります。

次に対応の仕方を解説します。

 

徘徊を減らす方法

徘徊をさせないように、開けられない鍵をかけるなどして閉じ込めたり、靴を隠して外出させないようにする行為は、逆効果です。

怒りにより暴言・暴力を起こしたり、場合によっては窓から飛び出したり、2階から飛び降りることさえあります。

 

逆説的に徘徊をさせないのではなく、むしろ楽しい気分で外出を楽しむ。リスクのある一人での外出ではなく、安全が保たれた外出を作っていくことが最善です。

 

それでは具体的な徘徊を減らす方法を解説します。

 

趣味や仕事を作る

何もすることがなく、話し相手もいなければ不安になり、居場所をもとめて徘徊が起こります。

趣味や仕事を作ることで、「そこが楽しい場所、ここに居ていいんだ」と思えれば、徘徊は減ります。

 

趣味や仕事は何でもいいですが、認知症の方はできることが限られてくるので、その方の能力にあったものを選んであげるべきです。

 

適度に運動する

誰でも同じ場所にじっとしていることはつらいものです。そういったストレスから徘徊してしまう場合もあります。

適度に運動することで、気分転換ができ、適度な疲労感は気持ちを安定させてくれます。

 

生活のメリハリを作る

昼夜逆転して、夜徘徊されると大変です。人気はないし、暗いため探すのは困難です。

暗いから外に出ないとは限りません。

日中は活動し、夜眠る習慣を作ることは、夜間の徘徊を予防できます。

 

一緒に出掛ける

無理に外出を止めようとすると、暴言や暴力を起こす場合があります。

そこで、無理に止めずに一緒に出掛けましょう。

 

景色を見ながら、コミュニケーションをとれば気分も落ち着き、徘徊している理由も忘れます。

また、一緒に出掛けることで、立ち寄る場所や道順も把握できます。

 

安全に出かける場所を作る

デイサービスや地域活動などは安全に出かけれる場所になります。

出かける場所を作っておくことで、地理感覚を保てるし、そもそも外出する能力を維持できます。

 

徘徊に備えてやっておくべきこと

徘徊しても、大きな事故にならないように事前に準備できることはしておくべきです。

ここでは、事前に備えるべき方法を解説します。

 

玄関や部屋にセンサーをつける

徘徊に早く気づくことは重要です。

気づくのがおくれれば、行動範囲が広がり捜索の難易度は上がります。

 

そこで、玄関や部屋に人感センサーを設置しましょう。

また、玄関に花や鏡などを設置しておくことも有効です。目につくものを置いておくことで、外出の時間を稼ぐことができます。

 

よく行く場所を知っておく

徘徊する人は、決まって同じようなルートを歩くことがあります。

そのルートを事前に把握しておくことで、発見しやすくなるでしょう。

 

名前や連絡先を書いたキーホルダーや財布を常にもたせる

本人が自分の名前を言えなくてもキーホルダーに情報があれば、発見してくれた人から連絡をもらうことができます。

靴や服にも書いておくなど、複数用意しておくといいです。

 

近所の人や警察に情報を伝えておく

家族は、認知症であることを知られたくないと思うかもですが、今や日本では認知症はありふれた病気です。

誰もがなりうる病気であり、お互い様となってます。けっして恥ずかしいことではないです。

安全を作るほうを優先しましょう。

 

GPS端末を持たせる

首からぶら下げるタイプや靴に着けるタイプ、携帯機能のGPSなどいろんなGPS端末があります。

地域包括支援センターやケアマネージャーに相談するといいです。

 

顔写真やその日の服装をメモしておく

こういった情報があれば、捜索はめちゃくちゃしやすくなります。

 

地域包括支援センターやケアマネージャーに相談する

この人たちは、介護のプロです。アドバイスや介護サービスの紹介などもしてくれます。

 

万が一行方不明になった時は

万が一行方不明になった時は、早めに警察に捜索願いをだしましょう。

また、立ち寄りやすい場所を見回りましょう。

近所の方に、報告するのもいいでしょう。

地域包括支援センターや担当ケアマネージャーに連絡してください。よい方法を教えてくれるかもです。

 

まとめ:徘徊の危険性を理解して、備えておこう

今回は、認知症の徘徊の原因と対応方法について記事にしました。

 

おさらいとして、認知症の徘徊の原因は、普通ならただの外出が、記憶障害や見当識障害により「忘れる」ことによって徘徊となります。

具体的には、

原因

道順を忘れてしまって徘徊してしまう
ここがどこか分からなくて徘徊してしまう

などです。

 

徘徊の対応は、「外に出さない」のではなく、安全に外出できる環境を作ること

具体的には、

対応の仕方

趣味や仕事を作る
適度に運動する
生活にメリハリを作る
一緒に出掛ける
安全に出かける場所を作る

などです。

徘徊に備えて準備しておくことは、

ポイント

玄関や部屋にセンサーをつける
よく行く場所を知っておく
名前や連絡先を書いたキーホルダーや財布を常にもたせる
近所の人や警察に情報を伝えておく
GPS端末を持たせる
顔写真やその日の服装をメモしておく
地域包括支援センターやケアマネージャーに相談する

などです。

行方不明になったときは、

行方不明になったとき

早めに警察に捜索願い
よく行く場所を巡回
地域包括支援センターや担当ケアマネージャーに連絡

などです。

 

今回は以上になります。

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