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認知症ケア

【介護者必見!】認知症のケア。シーン別ケアの方法3つVol2

2020年2月14日

本記事の内容

・シーン別の認知症のケアを3つ紹介します。

認知症の中核症状って何?症状のケアの方法。

シーン別認知症のケアの方法3つ

中核症状

排泄のお手伝いを嫌がる人のケア(排泄)

おばあさん
トイレのお手伝いの声かけをしても「行かなくていい。」断られるてしまいました。

ケアのポイント

➀自分で排泄ができるためのケア

排泄行為は、尿意や便意を知覚し、排泄場所へ移動、そして衣服を脱いで、排泄し、拭いてから、水を流す、衣服を着て、手を洗うといった一連の流れがあります。実行機能障害があるとこの一連の流れがわからなくなり、失認があるとトイレの場所がわからなくなります。また、失行があるとトイレの使い方がわからなくなります。

排泄を失敗することによる心理的負担は図りしれません。排泄行為や排泄物の処理を他者に委ねることは、他者に多大な負担を強いるため、プライドが傷つき自分に失望し、孤立してしまうことは少なくありません。ですから、自分で排泄ができることはとても大切なことです。

認知症の人の苦手を理解して、サポートしましょう。

・尿意や便意のタイミングでトイレの声かけをしてみる。
・脱衣の際は、「ズボンを下ろしましょう。」「パンツを下ろしましょう。」と一つずつ指示を出す。
など、排泄の流れの中で、適切な声をかけてあげると排泄の流れが保つことができます。

②プライバシーを守ることを大切にする

自分が排泄しているところを見られたり、行きたくもないのに無理やりトイレに連れていかれたりしたら、プライバシーを無視された、子ども扱いされたと思いませんか?認知症の人も同じ思いを持っています。プライベートな空間で、自分の意思によっておこうなことが排泄の基本です。

個室で排泄のお手伝いをする時は、その人のプライバシーに踏み込んでいることを忘れずに、まず「お手伝いさせてもらってもいいですか?」と聞いて許可をもらいましょう。「すいません、大丈夫ですか。」とその人の気持ちを察した声かけをしましょう。「ほんとは自分でしたいし、他人にこんなところを見られるのは嫌だ、だけどできないからしょうがない。」と思っています。ケアする人が自分のそんな気持ちに察してくれてると感じれたなら「この人にならやってもらおう。」と思ってもらえるのではないでしょうか。

また、トイレに誘う時も、「トイレの時間です。」「もう行きたいですよね。」などこちらの都合を押し付けるのではなく、「そろそろトイレに行きませんか?」「お腹の調子はどうですか?」など、本人の意識を排泄に向ける声かけをして排泄を促していきましょう。

おばあさん
ウロウロ ソワソワ
介護士
前田さん、トイレに行きたいのかなぁ。「前田さんそろそろトイレへ行きませんか?」
おばあさん
「うーーん。まだいいわ」
介護士
2~3分後「前田さんお腹の調子はどうですか。わたしも今からトイレに行くので一緒にいかがですか?」
おばあさん
「そうね、行こうかしら。」
介護士
「トイレはあちらですよ。」

 

前田さんは人に手伝われることがあまり好きではありません。なので、最初に声をかけたときは断られました。2~3分後、「一緒にトイレに行きませんか?」と声をかけたら、同意してくれました。「一緒に行く」という言葉には連れていかれるイメージがないので賛成してくれたのでしょう。他にも、「出かける前だから、トイレに行きませんか?」「食事の前なのでトイレに行きませんか?」といった声のかけ方も同意を得やすいです。

頭や体を洗うことを嫌がる人のケア(入浴)

疑問をもつ人
入浴のお誘いをしたら「今日はいいです。」と断られてしまいました。

ケアのポイント

➀詳しく説明して不安にさせない

実行機能障害や記憶障害があると、お風呂に入る手順が分からなくなったり、認知症が進めば入浴するという行為事態わからなくなります。そうした時は、「お風呂に入りましょう。」といっても「お風呂って何?どうやって入るの?」と不安になってしまいます。

そこで入浴の際は、「今日は汗をかいたので、お風呂で流しませんか?」「お風呂で身体を温めませんか?」などで誘い、「洋服はこのかごに入れてください。」「シャンプーはこれです。」「これで身体を洗ってください。」など入浴が終わるまで、ひとつひとつ丁寧すぎるくらいに説明しましょう。様子をうかがいながら、その人が不安にならないように声をかけてあげましょう。

どんなことがあっても嘘をついてお風呂場につれていってはいけません。信頼関係が崩れてしまいます。

②プライバシーを守ることを大切にする

排泄と同様、プライバシーに配慮することが大切です。特に、服を脱ぐところをみられることや裸をみられることは嫌なものです。その点に気をつかいながら、「お手伝いしてもいいですか?」と確認したり、「すいません。」「ごめんなさい。」など、その人の思いを察した声かけを心がけましょう。

間違っても、黙って脱がしたり、同意を得ずにシャワーをかける行為はやめましょう。その人の思いを無視した行動をとると、それをきっかけにお風呂に入ることが嫌になったり、BPSDが現れたりします。

介護士
「武田さん、お湯が沸いていますよ。お風呂に入りませんか?」
疑問をもつ人
「いまはいいや。」と断られました。
介護士
「汗をかいてますね。シャワーで流すとさっぱりしますよ。」
介護士
「そうか、なら軽く流してくるか。」と声のかけ方を変えたら同意してくれました。

様子をみながら、「洋服はこのカゴにいれてください。」「タオルはこれを使ってください。」と声をかけて、入浴することができました。

「お風呂に入りませんか?」と声をかけたときは、断られてしまいました。そんな気分ではなかったのでしょう。しかし、「汗をかいているので、シャワーで流しましょう。」と声をかけると前田さんは、入浴への意識が向き、入浴することができました。入浴を嫌がる人はたくさんいます。いきなり、入浴をすることがハードルが高いなら、足浴や手浴から始めてみましょう。衣服を脱ぐ行為がないだけで、同意をしてくれることはよくあります。足浴や手浴をしながら、信頼関係を深めることで、次に入浴できることが多くあります。

眠れず、夜中に何度も起きる人のケア

おばあさん
「眠れないなぁ。」部屋から出てくる。

ケアのポイント

➀心と体の健康のために睡眠を大切にする

睡眠は健康のパロメータです。よく眠れている人は、心も体もリフレッシュできていますが、よく眠れていない人は、疲労を回復できず、心も体も疲れた状態のまま過ごしています。それが長くつづと、自律神経が乱れて、便秘、めまい、イライラ、頻尿などが起こります。BPSDの原因が寝不足であることも珍しくありません。

なので、眠れない時は、日中の過ごし方を工夫しましょう。日中の活動を増やすことで、夜眠れるようになることはよくあります。

②眠れない理由を聞きましょう。

夜眠れずい起きてきてしまう時は、今日だけ眠れないのか確認しましょう。いつも眠れないなら、「それはつらいですね。」ろ思いを察する話し方をしましょう。そして、一緒にお茶を飲んだり、手をマッサージするなど眠りに入りやすくするケアをしましょう。

おばあさん
「眠れないなぁ」と部屋から起きてきました。
介護士
「前田さん眠れないんですね。お茶でも飲みますか?」
おばあさん
「ありがとう。」二人で話しながら、お茶をお飲みました。
おばあさん
「静かだね。」まわりをキョロキョロさせています。
介護士
「夜の12時ですからね。皆さん眠っています。」
おばあさん
「そうか、じゃあ寝ようかな。」と部屋に戻って横になられました。

眠れないと言って部屋から出てこられたので、気分転換に「お茶でも飲みませんか?」と声をかけました。一緒に談話しながら、お茶を飲んでいると「静かだね。誰もいないね。」とまわりをキョロキョロ見渡しています。「夜の12時ですからね。みんな寝ています。」と話すと、「そうか、じゃあ寝よう。」をお部屋に戻られました。前田さんは見当識障害があり、時間がわからなかったようです。お茶を飲んでリラックスして、眠ることができました。

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