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認知症ケア

認知症の中核症状って何?症状のケアの方法。

2020年2月3日

中核症状

悩む人
認知症の中核症状について知りたい。認知症の人の問題行動で困っている。説明しても理解してくれないし、止めると怒る。どうやって対応すればいいのか知りたい。

こんな悩みにお答えします。

本記事の内容

・認知症の主な中核症状は6つ
・認知症の症状に対する対応の仕方
・筆者の体験談

 

この記事を読むと、認知症の理解が深まりケアが楽になります!

本日の記事では

認知症の人の気持ちがよくわかる聞き方・話し方

こちらの書籍を参考にさせていただきました。

 

こんな方は必読必須です!

・認知症の家族を介護していて、認知症の症状に手を焼いている方。
・介護施設で働いていてる介護士や看護師で入居者のケアで困っている方

参考書籍と介護歴10年の現場で培ったノウハウを使って分かりやすく記事にしましたので最後までご覧ください!

認知症の主な中核症状は6つ

中核症状

脳の萎縮や障害によって、引き起こされる症状を中核症状と言います。症状の種類や程度の差はあれど、この中核症状は認知症の人なら誰でも持っているものです。介護者は中核症状は苦手なことと理解して、苦手をサポートするように心がけましょう。

認知症の中核症状は6つ

➀複雑性注意障害
②実行機能障害
③学習と記憶の障害
④言語障害(失語、失書)
⑤知覚-運動の障害
⑥社会的認知の障害
➀複雑性注意障害

複雑性注意障害

複雑性注意障害とは、様々な刺激の中から、必要とする特定の刺激を選択して、それに集中することができなくなる障害です。例えば、ラジオを聴きながら料理をしたり、たくさん並んでいる商品の中から特定の物を選ぶことが苦手になります。

複雑性注意障害が起こると・・・

・するべき作業が複雑だとできない。
・何かをする前に考える時間が長くなる。
・作業でミスが増える
・集中力が長続きしない。
・「ながら」仕事ができない。
・ぼんやりして反応が遅い。

苦手をサポートするには・・・

・素早く考えることが苦手なため、返事をゆっくり待ちましょう。
・物事に集中することが苦手です。話を聴いたり、話したり、聴いたりするときは気が散りにくい静かな環境を選びましょう。
・一つのことに対して長く時間がかかることが苦手です。ひとつひとつを短い時間で終わるように工夫しましょう。
・選択肢が多いと混乱します。選んでもらう時は選択肢を少なくしましょう。
・火を使うときや信号を渡るときなどは必ずサポートしましょう。

実行機能障害

実行機能障害は、計画を立てて実行することが難しくなる障害です。例えば、料理のように手順がたくさんある作業や整理整頓が苦手になります。

実行機能障害が起こると・・・

・動作や作業が多いとできない。
・複雑な作業が苦手。
・自動車を運転していて不注意な事故が増える。
・ATMが操作できない。
・携帯電話やリモコンの操作が分からない。
・工程の多い料理ができなくなる。
・衣服の着る順番が分からずミスる。

苦手をサポートするには・・・

・衣服の場合は、本人が着やすいように下着などを重ねて置いておきましょう。
・今までできてたことができなくなると本人は落ち込みます。そうならないように、モチベーションを上げる声かけをしたり、自分でできることを支援していきましょう。
・手数が多い作業は苦手です。できるだけ手数を少なくしましょう。もしも多い手数の時は、ひとつひとつに分けて説明しましょう。例えば、「カレーを作る」ならまずは、ニンジンのみじん切りだけ伝えます。それが終わったら、じゃがいもの皮むきを伝えます。こうすると、その人にとっては単純な一つの作業となり、積み重ねていけば、手数の多い料理でも作ることができます。

学習と記憶の障害

学習と記憶の障害とは、新しく知識を覚えることができなくなったり、過去に経験したことや覚えたことを忘れてしまう障害です。例えば、朝何を食べたか忘れてしまう、外に出かけてどこに行くのか忘れてしまうなどです。比較的保たれる記憶は長期記憶の中の手続き記憶(自転車に乗る、裁縫をするなどの体で覚えた記憶)とエピソード記憶(いつ、どこで、何が起こったかなどの日常の出来事の記憶、子供の頃の思い出など)です。ポイントは本人の中で、記憶が消えても楽しかったり、嫌だったりした感情は残ることです。

学習と記憶の障害が起こると・・・

・数分前の出来事を覚えていない
・同じ話を何度も繰り返す。
・出来事の記憶がなくなる。(買い物にいったことなど)
・一日の予定を思い出すことができない。
・支払ったことを忘れる。
・買い物のとき、何を買う予定だったか忘れる。

苦手のサポートするには・・・

・覚えて欲しいことは、何度も短い言葉で伝えましょう。そのうち覚えることができます。
・メガネや鍵などの日用品はいつも決まった場所に置きましょう。
・認知症の人は、新しい記憶を覚えることが苦手ですが、手続き記憶は比較的保たれます。例えば、杖の使い方を忘れてしまった人には、介護者が実際に使って見せてあげてください。すると、使い方を思い出してくれることがあります。
・忘れたことに対しては、決して責めないようにしましょう。

言語障害(失語、失書)

言語を理解したり、発言する能力の障害です。言語障害には3つのことが関わっています。

➀失語症:言葉が思い出しにくくなり、「あれ」「それ」と言うことが増える。
②構音の異常:構音とは音を発することです。脳幹などの構音器官の異常によってロレツが回らなくなり、しゃべりにくくなります。
③構音のプログラムの異常:言葉がたどたどしく、話しずらそうになります。

言語障害が起こると・・・

・「あれ」「それ」などの言葉をよく使う。
・しゃべるスピードが遅くなる。
・「時計」を「とでい」と言う。
・相手の言う言葉をオウム返しすることが増える。
・知ってる字が書けなくなる。
・「明日、天気、雨」など文法表現が下手になる。
・言葉が出にくく、たどたどしくなる。

苦手をサポートするには・・・

・ジェスチャーを使って伝えましょう。例えば、「食べてください」と伝えたいなら箸で食べる動作をしてみましょう。
・言葉を話すことが苦手な方には、じっくりと話しを聴いてあげましょう。言葉を発したら、その言葉を繰り返して、話しを聴いていることと伝えましょう。
・ご本人が話している時は、言葉だけでなく動作からも意図を読み取りましょう。
・ご本人に話すときは、ゆっくりと話しましょう。
・質問をしたら、返答に時間がかかります。せかさずゆっくりと待ちましょう。
・言葉を伝えるにはイラストも有効です。

知覚-運動の障害

知覚や運動に障害が起こると失行、失認、視空間認識障害などが発生します。

・「失行」とは、経験や教育、社会的慣例で習得した動作ができなくなる障害。例えば、車の運転や字を書くといったことです。
・「失認」とは、他の感覚を介せば、認識可能だが、ある感覚ではその対象を正しく認識できなくなる障害です。例えば、ゴルフボールを見てみかんだと思ったり、クリスマス飾りを飴玉と思ったりして食べようとします。
・「視空間認識障害」とは、空間の位置関係、物の奥行き、距離感などが正しく認識できなくなる障害です。
・「半側空間無視」、損傷を受けた大脳と反対側の空間に注意がいかない状態です。

知覚-運動の障害が起こると・・・

・細かく小さなものがつまめない(失行)
・手袋をうまくはめられない(失行)
・トレイの左半分の食事を残す(半側空間無視)
・顔の左半分のひげを剃り残す(半側空間無視)
・図の描写ができない。(構成障害)

苦手をサポートするには・・・

・空間の位置関係や奥行き、距離感が苦手な人には、転倒を予防するために出っ張りなどをなくすなど部屋のレイアウトを工夫しましょう。
・左半側空間無視がある人の食事は、左側にはおかず、右側に置く食事を置くようにしましょう。
・失行により、道具の使い方が分からなくなっている人には、ジェスチャーで伝えましょう。(歯ブラシなど)

社会的認知の障害

「社会的認知機能」とは、人が社会の中で適切に生活していくために必要な認知機能です。これに障害が起こると、脱抑制、感情移入の減少、感情を読み取る能力の低下、外向性または内向性の増大、無気力などが起こり、周りから社会性がないと受け取られます。

社会的認知の障害が起こると・・・

・万引きをするなど社会的不適切な行動をとる。
・相手や周囲の状況を認識して、それに適した行動がとれない。
・同じ行動を繰り返す(常同行動)
・自分が進む道にいる人を押しのけてしまう。
・理由もないのに、過度に機嫌がよかったり、幸せそうだったりする。
・人と会話中に立ち去ってしまう。
・他人の感情に配慮しない。

苦手をサポートするには・・・

・社会的な行動や行為ができないため、わがままに見えてしまいますが、それを不定したり非難したりしてはいけません。
・自分の感情を抑えることが苦手なため、可能な限り、その人がしたいことをできる環境をつくりましょう。
・自分がしたいことができないとイライラしてしまいます。そのことに早めにきづいてストレスがたまらないようにしましょう。

筆者の体験談

中核症状

デイサービスに通っているA子さん。いつも窓の近くのテーブルに座っていて外をみながらマイペースに過ごしています。食事の時間になったので「A子さんごはんですよ。」と声をかけると突然「何なのよ!!」と怒りだしてしまいました。なぜA子さんが怒ってしまったのか。普通の人には理解できるデイサービスの(スタッフや他の利用者がいて、キッチンやリビング、テレビなどが置いてある)環境をA子さんには理解することができていなかったんです。A子さんの中では、暗闇の中にいるようなぼやったした雰囲気の中にいる感じだったのではないかと思います。そこに突然、「A子さんごはんですよ。」と声をかけられたものだから、「何なのよ!!」と怒り出してしまったわけです。そこで、声かけを工夫しました。まず、A子さんの視界に入り、人として認識してもらう。そして目線の高さを合わせて、ゆっくりとした口調で「A子さん食事の準備ができました。」と声をかけました。すると、A子さんは笑顔で「はい」と答えてくれてんです。

【介護者必読!】認知症のケア。シーン別ケアの方法3つ

【介護者必見!】認知症のケア。シーン別ケアの方法3つVol2

最後に

認知症を正しく理解することはとても大切なことです。間違った知識やケアの方法で、ご本人もご家族も大変な思いをしている家庭をたくさん見てきました。そんな方たちの一助となれれば幸いです。

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