認知症

認知症とは?プロの介護士が説明します!

認知症3

悩む人
認知症について詳しく知りたい。最近、母親の物忘れがひどくなってきて、認知症ではないかと心配している。あと、治療法があったら知りたい。

そんな悩みにお答えします。

本記事の内容

・認知症の基本的なお話をします。
・認知症の治療法は2つ 薬物療法と非薬物療法

この記事を書いている僕は、介護歴10年以上です。現場で培った知識を元に、認知症について説明します。

また、この記事については

 認知症介護 基礎研修 標準テキスト

こちらの書籍を参考にさせていただいてます。

認知症について、理解が深まると介護が楽になります。

というわけで、

家族に認知症の人がいて認知症の基本的なことが知りたい。
介護施設に働きだしたので認知症について知りたい。

そういった方は、最後までご覧ください。

認知症とは?

認知症とは、病名ではなく様々な原因によって脳に障害が起こり、それによって認知機能が低下していくもので、認知機能の低下で日常生活全般に支障をきたす状態です。一人暮らしに支援が必要な状態で、おおむね6か月以上続いている状態を認知症といいます。

高齢者における認知症の現状

上記の情報は2012年の推計値になります。日本の65歳以上の高齢者のうち、462万人が認知症と言われており、これは全体の15%になります。また、その全員が将来認知症になるというわけではないが、いわゆるMCI(軽度認知障害)にある高齢者は約400万人で全体の13%になります。日本では、高齢者の人口が増加するため、認知症高齢者の方も増えていくと予想されています。

認知症の原因疾患

認知症とは、病名ではありません。認知症の原因を引き起こす疾患があり、それによって認知症の病名が決まります。代表的なものは、「アルツハイマー型認知症」「血管性認知症」「レビー小体型認知症」「前頭側頭型認知症」があり、これらを4大認知症と呼んでいます。

アルツハイマー型認知症の原因と症状

★原因

もっとも代表的な認知症は「アルツハイマー型認知症」であり、認知症の人の半数以上がこのアルツハイマー型認知症です。アルツハイマー型認知症は、βアミドロイドたんぱくが脳内に蓄積することにより、脳の神経細胞が死滅、脳の萎縮が原因とされています。

★主な症状

主な症状としては、顕著な記憶障害、見当識障害、判断力の障害、実行機能障害が挙げられます。

・記憶障害:アルツハイマー型認知症の方の記憶障害は、昔のことは比較的よく覚えているが、さっきのことがわからない。「何を食べたか忘れる」「食べたことすら忘れる」など直前の記憶がなくなります。

・見当識障害:見当識とは、さまざまな見当をつけることです。例えば、時間の見当識障害が起こると「何時なのか分からない。」「何日なのか分からない。」など時間、場所、人が分からなくなる障害です。

・判断力の障害:判断力の障害は、文字通り判断ができなくなっていきます。例えば、自分のすることが良いか悪いか判断できなくなり、「道路を逆走したり」「お金を払わずに店を出てしまったり」します。

・実行機能障害:実行機能障害とは、物事の手順を順序だてて行動することができなくなります。例えば、「料理を作る手順」「仕事の段取り」などができなくなっていきます。

★アルツハイマー型認知症の進行

アルツハイマー型認知症は、脳が萎縮していく病気で、病気の始まりはゆっくりしています。そのため、最初の頃は「歳のせい」と思われがちで、病気が進行するまで周囲の人は気づかないことがおおいです。症状が進み、周囲の人が「これはおかしい」ときづいて病院を受診すると認知症が進行していることが多いです。症状は、ゆっくり進み、確実にスロープを降りていくように進行するのが特徴です。

血管性認知症の原因と症状

★原因

血管性認知症は、脳の血管障害によって起こるタイプの認知症です。その原因となる疾患は脳梗塞や脳出血です。脳梗塞や脳出血が起こすと、それが原因で脳の細胞が死滅して、認知症になることがあります。脳梗塞や脳出血を起こすと、必ず認知症になるわけではなく、障害を受けた場所や大きさによって認知症が発症することがあります。

★主な症状

・認知機能障害の個人差:一般に血管性認知症の場合、脳に障害を受けた場所と受けていない場所があるために、非常にしっかりとした部分が残っているなど、まだら状に症状がでます。脳梗塞や脳出血の再発により急激に進行する場合があります。脳の障害を受けた場所によって症状が異なるため、症状に個人差があることが特徴です。

・日常生活上の障害や感情面での障害:記憶の障害よりも、「衣服の着方が分からない」「レンジの使い方がわからない」など、日常生活の障害が見られます。また、急に怒ったりなどささいなことに感情があらわになる障害も見られます。

★血管性認知症の進行

アルツハイマー型認知症が、スロープを降りるように進行するのに対し、血管性認知症は階段を降りるように進行するのが特徴です。

レビー小体型認知症の原因と症状

★原因

レビー小体型認知症は、1970年代に研究報告が行われるようになり、1990年代に診断基準が提唱された、比較的新しい病名です。レビー小体型認知症は、レビー小体という物質が脳内に蓄積することで発症します。パーキンソン病と似ていますが、パーキンソン病はレビー小体という物質が脳幹を中心に現れるのに対し、レビー小体型認知症は、大脳皮質を中心に広範囲にレビー小体がたまっていく病気で、脳の萎縮が起こります。

★主な症状

・変動性の認知機能障害:変動性の認知機能障害とは、一日のうちで、認知障害がほとんど見られない時間帯と混乱した時間帯とがあり、それが一日の中で交互に起こる状態です。混乱している時は、「話がかみ合わなかった」「反応が鈍くなったり」します。

・幻視:幻視はないものが見える状態です。「窓から女の人がのぞいている」「ベッドにおじいさんが寝ている」などです。初期段階では、物忘れが目立たないため、幻視の内容を翌日までハッキリと覚えていることがあります。

・パーキンソン症状:パーキンソン症状とは、「小刻み歩行」「動きの遅さ、鈍さ」「関節のこわばり」「ふるえ」などがあらわれます。パーキンソン症状による転倒が起こるため、注意が必要です。

レビー小体型認知症を詳しく解説した記事になります。

 

前頭側頭型認知症の原因と症状

★原因

前頭側頭型認知症は、その名のとおり脳の前頭葉と側頭葉が萎縮するタイプの認知症です。前頭葉は「人格・社会性・言語」を側頭葉は「記憶・聴覚・言語」を主につかさどっています。

★主な症状

・抑制の欠如:抑制の欠如は、自分を抑制できなくなることであり、自分の思ったように行動してしまいます。例えは、「人に対して遠慮をしない」「人に暴力をふるう」などです。

・社会性の欠如:社会性の欠如は、社会のルールが分からなくなります。「交通ルールをやぶったり」「万引きをする」などが起こります。

・常同行動:常同行動とは、同じ行動をとってしまうことです。例えば、「同じカレーを毎日食べる」「決まった時間に同じコースを散歩する」などが見られます。

認知症の治療法は2つ 薬物療法と非薬物療法

認知症

認知症の治療には、薬物療法と非薬物療法があります。

薬物療法

認知症の治療薬には、認知症の進行を遅らせたり、緩やかにする治療薬が使われます。とくにアルツハイマー型認知症の方への薬物療法の利点としては、進行を遅らせることにより、本人の自己決定の尊重や、将来の準備のための時間的余裕を生み出すことがあげられます。

非薬物療法

非薬物療法とは、主に心理や社会的なつながりによる治療です。生活行為や趣味活動などを活かした活動プログラムや地域の公民館活動、通所施設でのレクリエーション活動に参加するなどです。こういった活動は、心を穏やかに、また生活のメリハリを作ることになります。

本記事のまとめ

・認知症とは、病名ではなく脳の障害により日常生活に支障をきたす症状。
・4大認知症とは(アルツハイマー型認知症 血管性認知症 レビー小体型認知症 前頭側頭型認知症)の4つ
・認知症の治療には、薬を使った薬物療法と生活行為や趣味活動による非薬物療法があります。

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