
■ 要介護度が上がると、どれくらい介助が必要になるの?
■ 家族の負担はどの段階から重くなる?
■ どんな介護サービスを使えばいいの?
そんな悩みにお答えします。
要介護度は、本人の状態だけでなく、日常生活でどれくらい介助が必要かを考えるうえで大切な目安です。
ただし、要支援1から要介護5までの違いは、言葉だけでは少しわかりにくいですよね。
この記事では、介護職17年の経験をもとに、要支援1・2、要介護1〜5の状態の目安、家族の負担、利用できる介護サービスの違いをわかりやすく解説します。
この記事を読むことで、今の状態に合った介護サービスを考えやすくなり、家族だけで抱え込まない介護の進め方が見えてきます。
✓本記事の信頼性
当サイト管理者
● この記事を書いている僕は、17年以上の介護経験がある現役の介護士です。
● 特養や老健、デイなどさまざまな職場を経験しました。
● Instagramもやってます。(shinblog2020)
もくじ
要支援と要介護の違いとは?

要支援と要介護の違いは、簡単にいうと「今の生活をできるだけ維持するための支援が中心か」「日常生活そのものに介護が必要か」です。
要支援は、日常生活の基本はある程度自分でできますが、掃除・買い物・入浴・立ち上がりなどに一部支援や見守りが必要な状態です。
目的は、今の生活をできるだけ維持し、状態の悪化を防ぐこと。
一方、要介護は、入浴・排泄・食事・移動など、日常生活の中で継続した介助が必要な状態です。
要介護度が上がるほど、本人が自分でできることは減り、家族の負担も大きくなります。
要支援:できることは多いが、生活の一部に支援が必要な状態
要介護:日常生活の中で、継続した介助が必要な状態
要介護度別にみる状態・家族の負担量・使えるサービス
要支援1の状態とは?

要支援1は、日常生活の基本的な動作はほとんど自分でできるものの、家事や一部の動作に少し手助けが必要な状態です。
たとえば、食事やトイレは自分でできても、掃除・洗濯・買い物などに負担を感じたり、入浴や立ち上がりの場面で見守りが必要になったりします。
介護というよりは、今の生活をできるだけ維持するための支援が中心です。
要支援1の家族の負担量
要支援1は自立に近い状態のため、家族の介護負担は比較的軽めです。
食事・排泄・移動などは自分でできることが多く、つきっきりの介護が必要になるケースは少ないです。
✓具体的に必要なサポート
● 掃除・洗濯・買い物などの家事支援
● 通院の付き添い
● 薬の飲み忘れ確認
● 体調変化の見守り
● 介護保険の手続きやケアマネとの連絡
要支援1で利用できる介護サービス
要支援1では、状態の悪化を防ぎ、自立した生活を続けるための介護予防サービスを利用できます。
要支援1〜2の方は、介護保険の「予防給付」の対象です。
✓主に利用できるサービス
● ヘルパー → 掃除・洗濯・買い物などの生活支援
● デイサービス → 食事・入浴・運動・レクリエーションなどの日中支援
● デイケア → リハビリを中心に、身体機能の維持を目指すサービス
● 福祉用具貸与 → 杖・歩行器・手すりなどを利用できるサービス
● 住宅改修 → 手すりの設置や段差解消など、自宅で安全に暮らすための工事
要支援2の状態とは?

要支援2は、日常生活の基本的な動作はある程度自分でできるものの、要支援1よりも支援や見守りが必要な場面が増える状態です。
たとえば、食事やトイレは自分でできても、入浴・立ち上がり・歩行などでふらつきが見られたり、掃除・買い物・調理などの家事が負担になったりします。
要支援2の家族の負担量
要支援2は、要支援1よりも見守りや手助けが必要な場面が増えるため、家族の負担も少し増えます。
✓具体的に必要なサポート
● 入浴時の見守りや一部介助
● 食事準備や後片付けのサポート
● 通院の付き添い
● 薬の飲み忘れ確認
● 体調変化のチェック
● 掃除・洗濯・買い物などの家事支援
要支援2で利用できる介護サービス
要支援2では、要支援1と同じく、状態の悪化を防ぎ、自立した生活を続けるための介護予防サービスを利用できます。
訪問型・通所型サービスは、市区町村が行う「介護予防・日常生活支援総合事業」として提供されるため、内容は地域によって異なる場合があります。
✓主に利用できるサービス
● ヘルパー → 掃除・洗濯・買い物などの生活支援
● デイサービス → 食事・入浴・運動・レクリエーションなどの日中支援
● デイケア → リハビリを中心に、身体機能の維持を目指すサービス
● 福祉用具貸与 → 杖・歩行器・手すりなどを利用できるサービス
● 住宅改修 → 手すりの設置や段差解消など、自宅で安全に暮らすための工事
● ショートステイ → 家族の休息や一時的な介護負担の軽減を目的に、短期間施設に宿泊できるサービス
要介護1の状態とは?

要介護1は、日常生活の一部に介助が必要になりはじめる状態です。
食事やトイレなどは自分でできることが多いものの、たまに排泄で失敗があったり、立ち上がり・歩行・入浴などの場面で、見守りや一部介助が必要になりはじめます。
要支援との大きな違いは、家事支援だけでなく、身体に直接関わる介助が必要になりやすい点です。
要介護1の家族の負担量
要介護1は、自分でできることも多い一方で、入浴・排泄・歩行などで見守りや一部介助が必要になり、家族の負担が少しずつ増え始める段階です。
要支援と比べると、家事支援だけでなく、体に直接関わる介助が増えます。
✓具体的に必要なサポート
● 入浴時の見守りや一部介助
● 排泄後の確認や一部介助
● 歩行時のふらつき確認
● 転倒を防ぐための見守り
● 食事準備や服薬確認
● 通院の付き添いや体調変化の確認
要介護1で利用できる介護サービス
要介護1では、要支援よりも介助が必要な場面が増えるため、生活支援だけでなく、身体介護を含む介護サービスを利用しやすくなります。
✓主に利用できるサービス
● ヘルパー → 身体介護・掃除・洗濯・買い物などの生活支援
● デイサービス → 食事・入浴・運動・レクリエーションなどの日中支援
● デイケア → リハビリを中心に、身体機能の維持を目指すサービス
● ショートステイ → 家族の休息や一時的な介護負担の軽減を目的に、短期間施設に宿泊できるサービス
● 訪問看護 → 健康管理・服薬管理・医療的ケアなどを受けられるサービス
● 福祉用具貸与 → 歩行器・手すり・スロープなどを利用できるサービス
● 老健 → 入所してリハビリを受けながら在宅復帰を目指す施設
要介護2の状態とは?

要介護2は、要介護1よりも日常生活で介助が必要な場面が増える状態です。
要介護1との違いは、介助が「たまに必要」から「日常的に必要」になりやすい点です。
たとえば、歩行時のふらつきが増えたり、入浴や着替えに時間がかかったり、排泄後の後始末に手助けが必要になったりします。
要介護2の家族の負担量
要介護2では、家族だけで対応しようとすると負担が重くなりやすいです。
デイサービスやヘルパー、ショートステイなどを組み合わせて、介護を続けやすい形に整えましょう。
✓具体的に必要なサポート
● 入浴や着替えの一部介助
● 排泄後の確認や後始末のサポート
● 立ち上がり・歩行時の見守り
● 転倒を防ぐための環境調整
● 食事準備や服薬確認
● 通院の付き添いや体調変化の確認
要介護2で利用できる介護サービス
要介護2は、在宅介護を続けられるケースもありますが、家族の負担は大きくなりやすい段階です。
早めにサービスを組み合わせましょう。
✓主に利用できるサービス
● ヘルパー → 身体介護・掃除・洗濯・買い物などの生活支援
● デイサービス → 食事・入浴・運動・レクリエーションなどの日中支援
● デイケア → リハビリを中心に、身体機能の維持を目指すサービス
● ショートステイ → 家族の休息や一時的な介護負担の軽減を目的に、短期間施設に宿泊できるサービス
● 訪問看護 → 健康管理・服薬管理・医療的ケアなどを受けられるサービス
● 福祉用具貸与 → 車いす・歩行器・介護ベッド・手すりなどを利用できるサービス
● 住宅改修 → 手すりの設置や段差解消など、自宅で安全に暮らすための工事
● 老健 → 入所してリハビリを受けながら在宅復帰を目指す施設
要介護3の状態とは?

要介護3は、日常生活の介助が「一部介助」から「全面的な介助」に近づいていく段階です。
食事は自分でできることがあっても、入浴・排泄・着替え・移動などでは、家族や介護職の手助けが必要な場面がかなり増えます。
在宅介護の負担が重くなり、特養入所も現実的な選択肢に入ってきます。
要介護3の家族の負担量
要介護3になると、家族の介護負担はかなり大きくなります。
要介護1〜2では「見守り」や「一部介助」が中心でしたが、要介護3では入浴・排泄・着替え・移動などで、しっかり手助けが必要になる場面が増えます。
✓具体的に必要なサポート
● 入浴・排泄・着替えの介助
● ベッドから車いすへの移乗介助
● 車いす移動や歩行時の付き添い
● 転倒を防ぐための見守り
● 夜間のトイレ対応やおむつ交換
● 食事準備・服薬確認・体調変化の確認
● 通院の付き添いやケアマネとの調整
要介護3で利用できる介護サービス
在宅介護を続ける場合は、家族だけで対応するのではなく、介護サービスを組み合わせて負担を分散させましょう。
また、要介護3からは特別養護老人ホームの入所対象になるため、在宅サービスだけでなく、施設入所も検討してください。
✓主に利用できるサービス
● ヘルパー → 身体介護・掃除・洗濯・買い物などの生活支援
● デイサービス → 食事・入浴・運動・レクリエーションなどの日中支援
● デイケア → リハビリを中心に、身体機能の維持を目指すサービス
● ショートステイ → 家族の休息や一時的な介護負担の軽減を目的に、短期間施設に宿泊できるサービス
● 訪問看護 → 健康管理・服薬管理・医療的ケアなどを受けられるサービス
● 福祉用具貸与 → 車いす・介護ベッド・手すり・スロープなどを利用できるサービス
● 住宅改修 → 手すりの設置や段差解消など、自宅で安全に暮らすための工事
● 老健 → 入所してリハビリを受けながら在宅復帰を目指す施設
● 特養 → 入所して食事・入浴・排泄など生活全体の支援を受けられる施設
要介護4の状態とは?

要介護4は、日常生活のほとんどの場面で、全面的な介助が必要になる重度の状態です。
また、ベッド上で過ごす時間が増えたり、車いすや介護ベッドが必要になってきます。
要介護4の家族の負担量
要介護4になると、家族の介護負担は非常に大きくなります。
排泄・着替え・移動・移乗など、日常生活のほとんどで全面的な介助が必要になり、家族だけで対応するのはかなり大変です。
環境の整っていない自宅での入浴は厳しく、介護サービスの利用が必要になります。
✓具体的に必要なサポート
● 食事・入浴・排泄の介助
● 着替えや清潔保持の介助
● ベッドから車いすへの移乗介助
● 車いす移動や体位変換
● 夜間の見守りやおむつ交換
● 床ずれ予防のための姿勢調整
● 服薬確認・体調変化・急変時の対応
要介護4で利用できる介護サービス
要介護4では、日常生活のほとんどの場面で介助が必要になるため、在宅介護を続ける場合は、複数の介護サービスを組み合わせることが重要です。
✓主に利用できるサービス
● ヘルパー → 身体介護・掃除・洗濯・買い物などの生活支援
● デイサービス → 食事・入浴・運動・レクリエーションなどの日中支援
● デイケア → リハビリを中心に、身体機能の維持を目指すサービス
● ショートステイ → 家族の休息や一時的な介護負担の軽減を目的に、短期間施設に宿泊できるサービス
● 訪問看護 → 健康管理・服薬管理・医療的ケアなどを受けられるサービス
● 福祉用具貸与 → 車いす・介護ベッド・床ずれ防止用具・手すりなどを利用できるサービス
● 訪問入浴 → 自宅での入浴サービス
● 老健 → 入所してリハビリを受けながら在宅復帰を目指す施設
● 特養 → 入所して食事・入浴・排泄など生活全体の支援を受けられる施設
● 介護医療院 → 医療と介護を受けながら長期療養できる施設
要介護5の状態とは?

要介護5は、日常生活のほぼすべてにおいて、全面的な介助が必要な最も重い状態です。
食事・排泄・入浴・着替え・移動・移乗など、生活の多くの場面で家族や介護職の手助けが欠かせません。
また、寝たきりに近い状態になり、介護ベッドで過ごす時間が長くなるケースもあります。
要介護5の家族の負担量
要介護5になると、家族の介護負担は最も重くなります。
食事・排泄・入浴・着替え・移動・移乗など、日常生活のほぼすべてで全面的な介助が必要になり、家族だけで対応し続けるのほぼ不可能な段階です。
✓具体的に必要なサポート
● 食事・水分摂取の介助
● 排泄介助やおむつ交換
● 入浴・清拭・着替えの介助
● ベッド上での体位変換
● 車いす移動や移乗介助
● 床ずれ予防のための姿勢調整
● 夜間の見守りや呼吸状態の確認
要介護5で利用できる介護サービス
在宅介護を続ける場合は、ヘルパー・訪問看護・訪問入浴・ショートステイなどを組み合わせ、介護する家族の負担を減らしましょう。
✓主に利用できるサービス
● ヘルパー → 身体介護・掃除・洗濯・買い物などの生活支援
● デイサービス → 食事・入浴・運動・レクリエーションなどの日中支援
● ショートステイ → 家族の休息や一時的な介護負担の軽減を目的に、短期間施設に宿泊できるサービス
● 訪問看護 → 健康管理・服薬管理・医療的ケアなどを受けられるサービス
● 訪問入浴 → 自宅で入浴介助を受けられるサービス
● 老健 → 入所してリハビリを受けながら在宅復帰を目指す施設
● 特養 → 入所して食事・入浴・排泄など生活全体の支援を受けられる施設
● 介護医療院 → 医療と介護を受けながら長期療養できる施設
要介護度別の違い早見表

| 介護度 | 状態の目安 | 家族の負担量 |
| 要支援1 | 日常生活の基本はほぼ自分でできるが、 家事や一部動作に少し支援が必要 |
比較的軽い。 家事支援や見守りが中心 |
| 要支援2 | 基本動作はできるが、入浴・立ち上がり・歩行などで 見守りや一部介助が必要 |
要支援1より少し大きい 見守りや付き添いが増える |
| 要介護1 | 立ち上がり・歩行・入浴・排泄など で一部介助が必要になりはじめる |
少しずつ増える 身体介護が入りはじめる |
| 要介護2 | 要介護1より介助が必要な場面が増え、 日常的に手助けが必要になる |
さらに増える 入浴・着替え・排泄などで介助が増える |
| 要介護3 | 一部介助から全面介助に近づく段階。 移動や移乗にも手助けが必要 |
かなり重い 在宅介護の負担が大きくなる |
| 要介護4 | 日常生活のほとんどで全面的な介助が 必要になる重度の状態 |
非常に重い 家族だけでの対応が難しい |
| 要介護5 | 日常生活のほぼすべてで全面的な介助が 必要な最も重い状態 |
最も重い 家族だけで抱えるのはほぼ困難 |
要介護度は、「どれくらい介助が必要か」を判断する目安です。
要支援1から要介護5まで段階が上がるにつれて、本人が自分でできることは少しずつ減り、家族の負担や利用する介護サービスの量も増えていきます。
まとめ|要介護度の違いを知ると介護サービスを選びやすくなる
今回は、要介護度別の状態・家族の負担量・使えるサービスを紹介しました。
要介護度は、本人の状態や必要な介助量を知るための大切な目安です。
要支援では介護予防や見守りが中心ですが、要介護度が上がるほど、入浴・排泄・移動などの身体介護が増え、家族の負担も大きくなります。
大切なのは、家族だけで抱え込まないことです。
本人の状態に合ったサービスを早めに使い、無理なく介護を続けられる体制を整えましょう。