■医療者からいろいろ質問されて、情報がなくあわてて確認した。
■緊急搬送に同行したら、診察した医者に怒られた。
こんな経験をしたことはないでしょうか?
介護の現場では、医療の知識が必要な場面が多くあります。
しかし、日々忙しく働く介護職が医療の知識をみにつける時間を作ることは難しいです。
医療者にどう報告すればいいか分からない人も多いと思います。
僕も緊急搬送をした時、救急隊にいろいろ聞かれたけど、うまく答えられず悔しい思いをした経験があります。
この記事では、まず介護職が最低限知っておくべきバイタルサインについて解説していきます。
バイタルサインは、どんな時でも報告すべき情報なので、マストでにみにつけましょう。
✓記事を書いている人
もくじ
バイタルサインとは?
バイタルサインはその人が生命活動を維持していることを示す、非常に基本的なサインであり、どんな状況でも報告が必要なモノです。
バイタルサインとは、心拍数、血圧、意識レベル、呼吸数、サチュレーションのことです。
それでは一つずつ解説します。
心拍数
心拍数は、一定時間に心臓が拍動する回数のことであり、通常は1分間の回数で表します。
健康な成人の平均は、60〜90です。
血圧
血圧とは心臓から流れる血液が血管を押す圧力のことです。
血圧は、「上の血圧」「下の血圧」で表します。
上の血圧は、心臓が縮み勢いよく血液が流れ出して血圧が最も高くなったときの値です。
下の血圧は、心臓が広がって血流が緩やかになり血圧が最も低くなったときの値です。
正常値は、上が120mmHg未満、下が80mmHg未満です。
上が140mmHg以上、下が90mmHg以上だと、高血圧と診断されます。
高齢者になると、血圧は上昇していく傾向があります。
呼吸数
呼吸とは、空気中から酸素を取り入れ、細胞の代謝によって生じた二酸化炭素を排出するガス交換のことです。
そして、呼吸数は1分間の回数で表します。
呼吸数は、年齢によって変わります。
年齢別の正常範囲は下記の表を参考にしてください。
年齢 | 呼吸数 |
10歳 | 17~23回/分 |
成人 | 12~18回/分 |
65歳以上の高齢者 | 12~28回/分 |
80歳以上の高齢者 | 10~30回/分 |
サチュレーション
体内のヘモグロビンと結合した酸素量の割合のことです。
健康な人では96~99%が基準値といわれていますが、高齢になるごとに低下する傾向にあります。
介護職が知っておくべき「意識レベル」の報告の仕方
意識レベルを報告するのによく使われるのはJCSです。
医療ドラマで「意識レベル300です。」というようなセリフを何度も聴いたことがあるでしょう。
これがJCSです。
JCSを簡単に説明すると下記になります。
JCS | 詳細 |
1~3 | 刺激しなくても目を開けている状態 |
10~30 | 刺激すると目を開ける状態 |
100~300 | 刺激しても目を開けない状態 |
介護の現場で救急隊へ報告する時は、「意識レベル2桁です。」といったように報告するといいです。
「意識状態」もっともお手軽なバイタルサインチェック
現場で一番手っ取り早く、大まかなバイタルサインを確認する方法は、意識レベルを確認することです。
意識レベルがいつもどおりであれば、緊急性は低いと考えられます。
つまり、利用者さんに、何か急変が生じている場合には、まず行うべきは「呼びかけ」です。
反応がよければ、落ち着いて血圧や心拍数などのバイタルチェックへうつりましょう。
バイタルサインの落とし穴
高齢者の場合、心房細動を持っている方も多くおられます。
その場合、血圧計でうまく血圧を拾えていない場合があります。
また、サチレーションも抹消がしまっているような状況(四肢の冷感が強い状況)では、信ぴょう性にかける場合があります。
もし、バイタルサインに異常があっても、そういった原因があることを介護職は知っておいてください。
平穏時のバイタルサインを把握しておくことが大切
平穏時のバイタルサインを把握しておくことはとても大切です。
高齢者には、高血圧で普段から血圧が高い人もおられます。
また、体温調整機能の低下により、厚着や布団の掛けすぎ、暖房の効きすぎ等によって、身体に熱がこもり微熱が出ることがあります。
平穏時のバイタルサインを把握しておけば、その数値が身体の異常によるものなのか、もともと持っている持病によるものなのかの判断材料になります。
今回は以上になります。