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認知症ケア

【認知症予防に効果あり】回想法のやり方

2020年2月27日

回想法

悩む人
回想法ってどんなものなのか知りたい。回想法が認知症の予防や改善に効果があると聞いたが、どうやってやるのか分からない。

そんな悩みにお答えします。

本記事の内容

・回想法とは?その効果は
・回想法のやり方

この記事を読むと、回想法の理解が深まり、実践の仕方が分かります。

本記事の信頼性

この記事を書いている僕は、現在認知症対応型通所施設に勤務しており、日々認知症の人と関わったり、ケアをしています。その中で、回想法を取り入れたレクリエーションも実践しており、そのやり方や効果を肌で感じています。なので、この記事の信頼性は保たれています。

こんな人におすすめ

・回想法とは、その効果を知りたい人
・回想法をやってみたいと考えている介護士や看護師

回想法とは?その効果は

回想法とは、昔使っていた道具やオモチャ、写真や風景、時には音楽を聴きながら、昔の思い出を語ったり、聴いたりする一種の心理療法です。

高齢者の多くは、過去の話を何度もします。これまで、高齢者の回想は、「過去への操り事」「現実からの逃避」と言われ不定的でした。

しかし、1960年代にアメリカのロバート・バトラーは「高齢者の回想は、死が近づいてくることにより自然に起こる心理的過程であり、また、過去の未解決の課題を再度とらえ直すことも導く積極的な役割がある。」と提唱しました。

野村豊子は「人生は過去の体験や出来事が縦糸や横糸となって織り成される 1 枚の織物のようなものである。無数の織り目には、楽しさとやさしさと同時に、つらさや悲しみも込められており、それには1 枚として同じものは無い。人は何かをきっかけとして、この 1 枚の織物に織り込まれている過去の出来事、出会った人々、懐かしい場所や景色、聞き覚えのある声や歌、昔に味わった食べ物などを当時の様々な思いと共に回想する。特に高齢者には、それまでの人生を振りかえり、様々な過去の記憶や思い出に親しむ傾向が認められる。」としています。

回想法実施マニュアル-日本産業カウンセラー協会より引用

こういった考えが普及し、現在では介護施設や病院などの多くの施設で回想法が心理療法として取り入れられています。

回想法の効果と根拠

これまで、いろんな施設で実践されてきた回想法。その効果は、「表情が豊かになった」「笑顔が増えた」「意欲が出てきた」など、介護者や家族から本人の日常生活が前向きになったという報告が多数あります。

回想法の効果

チェック

・心理的ストレスの解消
・認知症の予防や改善
・人生に対する満足感や自己肯定感の向上
・自尊心の向上
・発語回数の増加
・集中力の増大
・表情が豊かになる
・抑うつ症状の緩和
・対人関係の促進
・死に対する不安の軽減

回想法には、これらの効果があると報告されいます。

グループホームで回想法を実践する前と後で、対象者数名の改訂長谷川式簡易知能評価スケール(HDS-R)の得点は、3点~5点上昇したとの報告事例もあります。

改訂長谷川式簡易知能評価スケール(HDS-R)…手軽にできる認知症テストです。

回想法を行う対象高齢者

回想法の対象高齢者は、独居の高齢者や家族と同居している高齢者、デイサービス利用者や施設入所者、認知症高齢者やうつ病高齢者など多様な人に行うことができます。

回想法をする前の準備

回想法は、「昔の思い出をただ話してもらえばいい」といったモノではありません。事前準備をしないまま、その人の過去を根ほり葉ほり聴く行為はやめるべきです。その人の自尊心を気づつけないためにも、効果的な回想法を実践するためにも事前準備が大切です。

1必要な情報を準備する

回想法にはコミュニケーション能力が必要になります。その人の聴力や視力、集中力などを把握しておく必要があります。また、グループで回想法を行う場合には、席の配置も気にかけるべきです。また、参加するメンバーの年齢に合わせたテーマ選びも重要です。

2時間や語りやすい空間を作る

落ち着いて話ができる空間づくりが大切です。デイサービスなどで他の人がカラオケをしているそばで行っても集中できません。落ち着いて話せる空間を作りましょう。

3回想法に使う道具や写真を準備しておく

回想法では、道具を触ったり、写真を見ることで語りのキッカケを作ります。実際にさわったり、見たりすることで参加者の思い出を語りやすくする効果があります。

4守秘義務を徹底する

グループで行う回想法では、そこで語られた話を口外しないことが原則です。主催者は参加者にそのことを伝える必要があります。

回想法を行うツール

回想法のツールは語るためのキッカケづくりや語りを盛り上げる働きがあります。写真、道具、映像などいろんな回想法ツールがあります。僕のおすすめの回想法ツールをいくつか案内します。

 

主に昭和20年~35年に使われた日用品の数々を収録しており、現在の高齢者が子供だった時の記憶を引き出しやすいものとなっています。カードは50枚セットになっています。

 

主に昭和20年~35年の風景写真を収録しており、現在の高齢者が子供だった時の記憶を引き出しやすいものとなっています。カードは50枚セットになっています。

この二つは実際に僕の通所施設で使用しているものであり、利用者さんの食いつきが半端ないです。デイサービスで回想法をやってみたい人におすすめです。

回想法の実践方法

認知症予防2

回想法には1体1で行うマンツーマンの回想法と5~10名ほどのグループで行う回想法があります。時間は1時間程度を目安に行うのが良いでしょう。

実践方法は別途記事を作成中です。

回想法の研修

回想法を行うにはそれなりの技術が必要です。書籍を読むだけでは、回想法の実践は難しく思うような効果が得られない場合が多くあります。そんな時は、各地で回想法の研修を起こっているのでそこに参加してみるのもおすすめです。ググってみるといくつかヒットします。

最後に

回想法は、認知症予防に効果的な心理療法です。正しい技術をみにつけ実践することでいろんな効果が期待できます。僕もレクリエーションの一つとして取り入れています。

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