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認知症ケア

【家族向け】物盗られ妄想の原因と対応の仕方

悩む人
母の物盗られ妄想に困っています。顔を合わせれば「金を盗んだ!」と罵ってきます。言われもない罪をなすりつけられ、ストレスが溜まっています。どうしたら妄想はなくなりますか?

そんな悩みにお答えします。

 

物盗られ妄想は、普段から一番熱心に介護をしている人がターゲットになることが多いです。実の親に泥棒扱いされるのは、病気だとわかっていても受け入れがたいことですね。今回は、物盗られ妄想の改善や介護者の負担軽減につながるように、物盗られ妄想の原因や対応方法を解説します。

 

本記事の内容

・物盗られ妄想とは
・物盗られ妄想の原因
・物盗られ妄想の特徴
・物盗られ妄想の対応の仕方
・これから先の準備をしておくことが大切な話

 

本記事の信頼性

この記事を書いている僕は、介護歴10年以上。現在も認知症対応型通所介護の相談員をしています。日頃から物盗られ妄想のある方と接していて対応の仕方を試行錯誤しています。また、家族からの相談も受けています。

 

この記事を読み終わった頃には、物盗られ妄想の改善の糸口が掴めているはずです。

 

物盗られ妄想とは

物盗られ妄想は、認知症で起きやすい被害妄想の一つです。

「財布が盗まれた」「預金通帳が盗まれた」といったように大事なものを盗まれたと訴える症状です。

 

認知症でなくても、高齢になれば「置き忘れ」はしばしば起こりますが、その場合は、「置き忘れた」自覚があります。

しかし、認知症の物盗られ妄想の場合は、自分が失くした自覚がありません。

記憶障害によって置き忘れたことを覚えていられないため、ほとんど探すことなく、「物が盗まれた」即断してしまいます。

 

物盗られ妄想の原因

物盗られ妄想が起こる原因は主に3つです。

原因

・記憶障害や思考力の低下
・病気に対する恐怖心
・家族や親友を亡くすことによる喪失感や孤独感

といったところです。それでは一つずつ解説します。

 

記憶障害や思考力の低下

認知症になると誰でも起こる症状が記憶障害です。また、ぼんやりするなどの思考力の低下も起こります。

このような状態と、もともとの性格や生活環境が関係して、失われた記憶を取り繕うために「盗まれた」という妄想を引き起こすと言われています。

 

病気に対する恐怖心

認知症の方は、自分でも認知症であると自覚しています。「覚えられない」「忘れてしまう」ことを理解しています。

そのため、病気に対する恐怖心や不安感を常に抱えています。

そのストレスから逃れるために失われた記憶を取り繕うとして「盗まれた」という妄想を引き起こすこともあります。

 

家族や親友を亡くすことによる喪失感や孤独感

高齢になると、家族や親友が亡くなり、財産が減っていく、体調を崩すなどつらいことが重なりがちです。

そういった喪失感や孤独感から、精神が不安定になり、「盗まれた」という妄想を引き起こしやすくなっています。

 

物盗られ妄想の特徴

物盗られ妄想の特徴は主に3つです。

特徴

・初期に起こりやすい
・身近な人がターゲットになりやすい
・女性に多い

といったところです。一つずつ解説します。

 

初期に起こりやすい

物盗られ妄想は、認知症の初期のでやすい症状です。通常は認知症が進むにつれ症状は軽減します。

初期は周囲も認知症だと認識していない場合があり、「盗まれた」という本人の主張が「認知症の物盗られ妄想」であるとわからず、警察沙汰になるケースもあるとか。

物盗られ妄想は、長期化しにくい症状ですが、中には1年以上続く場合もあります。

 

身近な人がターゲットになりやすい

物盗られ妄想のターゲットにされるのはだいたい親身になってくれる人です。

例えば、日ごろから身の周りの世話をしてくれる娘や自宅に頻繁に訪問するヘルパーさんなどです。

 

疑われる人からすると勘弁してよ。「こんなに介護をしているのに」とやるせない気持ちになりますね。

全くその通りです。

ただ認知症の方にとっては、そこにしかあたる人がいないのでしょう。

 

女性に多い

物盗られ妄想は、女性のあらわれることが多いです。

理由はさだかではありませんが、昔の女性は家庭を守ることが仕事でした。家庭の物に対する責任感が強いことが原因かもですね。

 

物盗られ妄想の対応の仕方を8つ紹介

物盗られ妄想の対応の仕方は主に8つです。

対応の仕方

・じっくり話を聴く
・一緒に探す
・しまう場所を把握しておく
・話題を変えて意識をそらす
・その場を離れる
・役割を持ってもらう
・介護サービスを利用する
・医師や介護の専門家に相談する

といったところです。それでは一つずつ解説します。

 

じっくり話を聴く

まず大前提として、本人の話は否定せず聴くことです。

ありえない話だったとしても、「盗むわけないでしょう」「勘違いじゃないの」と否定したり、怒ったりするのはNGです。

本人にとっては、「盗まれた」と思い込んでしまっているので、否定すると怒りがますケースがあります。

 

僕の体験ですが、デイの利用者さんに夕方になると「上着が盗まれた。泥棒がいる」と訴える方がいます。

何度も事実を説明しましたが、納得してくれることは一度もありませんでした。

 

犯人扱いされて、怒り心頭だと思いますが、ぐっとこらえて、「それは大変だね。」「困ったね。」と共感の姿勢で接する方が、症状は落ち着きます。

 

一緒に探す

「財布が盗まれた」と訴える時は、「それは大変だね。」と共感の姿勢を見せながら、一緒に探してあげましょう。

探しているうちに落ち着いてくる場合もあるし、見つかれば気持ちは収まるでしょう。

 

まれに、「あなたが盗んだんだから置いてある場所を知ってたんでしょう。」というケースもあります。

そんな時は、本人をうまく誘導して本人に探し物を見つけてもらうようにするといいですよ。

 

しまう場所を把握しておく

人の「置き忘れ」はだいたい同じ場所に置き忘れることが多いです。これは習慣によるものでしょう。

例えば、棚の中やカバンの中といったように本人を置き忘れの場所を把握しておけば、早く見つけることができ、症状を抑えられます。

 

話題を変えて意識をそらす

盗まれたと思い込んで興奮している人には、「今日はいい天気だね。」「今日のご飯は〇〇だよ。」といったように天気や食事の話に変えるのも有効です。

また、「塗り絵やろう。」といったように趣味活動を促すのもいいでしょう。

 

デイの利用者さんで物盗られ妄想が出たとき、僕はくだらない話を結構します。

すると一分後にはゲラゲラ笑っていたりするので、話題をそらすのはかなりいいですよ。

 

その場を離れる

本人の怒りがおさまらず、攻撃的な態度をとってくるときは、何を言っても無駄なのでその場を離れましょう。

認知症の方には、感情を抑えられず暴力をふるうケースもあるので注意が必要です。

一旦距離をとり、様子を見ましょう。

また、一人でなんとかしようとせず、別の家族やヘルパーさんに間に入ってもうらのもいいでしょう。

 

役割りを持ってもらう

人には「返報性」と言う物があり、与えられたら与え返すという習性があります。

例えば、何かを貰ったらお返しをする、それも返報性です。

また、「与える」と言うのは物品だけではなく、面倒を見たりするのも「与える」です。

それが、与えられるだけの存在になってしまうと、返報性が満たされなくなってしまいます。

言葉を変えると、心の平等が保たれないのです。

特にお年寄りは今まで与える立場を続けて来た人です。

介護される側になると、その与え続けてきた立場やプライド、平等を「奪われ」ているのです。

それが盗られ妄想となって出て来ます。

そこで、効果的なのは返報性を満たしてあげることです。

認知症でもできることを任せたり、料理を手伝ってもらったり、家族の中で役に立っていると思ってもらうことです。

 

介護サービスを利用する

物盗られ妄想だけでなく認知症のその他の症状の対応が難しいと感じたら、デイサービスやショートステイといった介護サービスを検討しましょう。

認知症になると記憶障害だけでなく、いろんな症状がでてきます。家族だけで対応しようとすると疲弊して、介護どころではなくなってしまいます。

介護サービスを利用することで、心身のリフレッシュや相談もできますよ。

 

医師や介護の専門家に相談する

医師やケアマネージャーに相談するのも大切です。医師に相談すれば薬により症状を抑えることもできるかもしれません。

ケアマネージャーに相談すれば、対処法をアドバイスしてくれます。

 

公的な介護サービスを利用するには、介護認定を受ける必要があります。

介護認定を受けていない人は、自治体や地域包括センターに相談しましょう。

 

将来のための準備が大事

物盗られ妄想は、認知症の初期の症状です。

認知症が進めは、物盗られ妄想はなくなっていきますが、できないことも増えていきます。

例えば、「排泄で失敗する」「お風呂に入れない」「食事が食べれない」などです。

 

認知症が進めば、それだけ介護の量も増えていき家族だけでは、対応は難しくなっていきます。

そういった時のために、施設入所などの心構えをしておくことも大事かと思います。

 

まとめ:物盗られ妄想は否定せず話を聴くこと

今回は、物盗られ妄想の原因と対応の仕方の記事を書きました。

物盗られ妄想の対応の仕方をもう一度確認しましょう。

対応の仕方

・じっくり話を聴く
・一緒に探す
・しまう場所を把握しておく
・話題を変えて意識をそらす
・その場を離れる
・役割を持ってもらう
・介護サービスを利用する
・医師や介護の専門家に相談する

 

この中でも、否定せずじっくり話を聴くことが僕の経験では一番大切で効果的だと思います。

 

こういった対応を心がければ、少なからず症状は改善でき、対応の仕方も身についていくはずです。

 

今回は以上になります。

 

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